女とカバンと喫茶店 公演情報 演劇集団Nの2乗「女とカバンと喫茶店」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    戻れる場所と聞いてくれるひと
    ハァ、映画もねぇ、バーもねぇ、ショップもねぇ!
    おら、こんな村いやだー、おらこんな村いやだー♪

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    働く場所といったら、病院か役場しかない片田舎に嫌気がさして兄の反対を振り切って逃げるように出て行ったトモコは東京で過ごした5年間の間に様々なことを経験した。男と同棲し妊娠した挙句に男に逃げられ、堕胎したトモコは明日の希望を失い、自殺を試みる。

    そこに須藤きぬえというトモコの祖母と同じ名前をもった女性があの世から時間軸を超えてトモコを助け「死の猶予」という死ぬ手前の「考える時間」を授ける。現実で起こった知人らの死と自分の死に様を遭遇させて、トモコが感じる自分とは、家族とは、愛とは、世の中とは、人生とはを再度、見つめなおす物語。

    どうやら、きぬえはトモコを見守る存在らしいが、物語全体にあまりインパクトはなく、尖った何かも突き抜ける展開もない。ただただ、身近な人の死に対して自殺を試みたトモコが、一度は出たこの僻地の住人たちや家族が暖かくトモコにとって最も癒される存在だったということが身にしみて解る。

    人は孤独では生きられないという状況と、誰かに話を聞いてもらうというだけで心がやすまるという当たり前だけれど大切なものを描写していた。

    きっと東京で孤独と戦っている輩にはずしん!とくる内容だったかもしれないが、割に真新しさはない。本にもうちょっと練が必要だったかも。そんな感じの舞台だった。

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    2010/08/11 17:56

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