Ryoma 公演情報 ミュージカルカンパニーOZmate「Ryoma」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    ネオ宝塚の襲来!?
    坂本龍馬の生き様を通じてどんな時でも仲間をおもいやり、悩み、苦しみ、もがきながらも夢に向かってひたむきに生きていこうというストレートなメッセージは王道ではありますが、誰もが生きていくうえで見逃せない要素のひとつですですから、とても励みになりました。
    願わくば、わびさびを利かせた抒情的な人物造形と空間演出によって物語にダイナミズムが生まれてくることを期待します。

    ネタバレBOX

    本番が刻一刻と迫るなか、衝突のたえない劇団員たちが坂本龍馬ミュージカルの稽古を重ねるうちに少しづつ信頼関係を取り戻し、ほんとうに大切なことをみつけるまでの話。

    間もなく上演予定の坂本龍馬ミュージカルのアウトラインは武市端山が結成した土佐勤王党に竜馬が加盟し、脱藩、薩長同盟を成立させた翌年に暗殺されるに至るまでのエピソードが中心でしたが、女性が龍馬を演じるという都合からでしょうか、龍馬の結婚については完全にスルーされていたことと、龍馬が慕っていた勝海舟との師弟関係の描写がなかったことが個人的にはちょっと残念でした。

    物語のなかで描かれていた劇団員の苦悩が、当カンパニーに所属する劇団員たちにとっても他人ごとではないという意識は、きらびやかなステージに立つ劇団員の実情を垣間見るようで生々しく、現実に引き戻されましたが、辛く苦しい現実があるなかで、それでもみんな頑張っているんだ、という当たり前のことを、当たり前に伝えていく強さが当カンパニーにはあるように見受けられました。

    その反面、舞台では、物語の中核を担う歌や、役者の振る舞いが、空間のキャパシティに対してこじんまりしていたように見えてしまったことが悔やまれます。

    たとえば坂本龍馬は情に厚く、仲間から慕われてはいるものの、乱雑で少々野蛮な人物として一般的には描かれることが多いですが、当作品のなかの龍馬はなんだか上品で、可愛らしい感じで、それはそれで素敵ですし、女性ならではのしなやかさが表現されていたのは斬新だったのですが、それにしてもちょっと綺麗にまとまりすぎているようにおもえました。

    歌に関しては、合唱する場面は迫力があり圧倒されるのですが、ピンで歌い心情を吐露するシーンになると、パワーダウンは否めず、歌うことに手一杯で、歌詞に感情が乗っていないと言いますか、心が動かされる領域にまで到達していないように思われました。
    一部、低音がほとんど歌えていないキャストの方がいたのも気になりました。
    ボイストレーニングをして歌えるようにする、キーを調整するなど、何らかの処置は必要なのではないでしょうか。

    劇中、すべての台詞を方言で発話していたことはその土地からでしか生まれ得ない文化があるという証拠ですので、それについてはこれからも変わらずに続けていってもらいたいですね。

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    2010/08/09 02:46

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