『法螺貝吹いたら川を渡れ』東京公演 公演情報 渡辺源四郎商店「『法螺貝吹いたら川を渡れ』東京公演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/05/05 (日) 14:00

    「方言」って何言ってんのかわかんない方が断然面白い!要は話の筋が解ればいいのだ。
    変に台詞を解りやすくせず、超アナログな手法で観客に翻訳を伝えるところが秀逸。
    大笑いしながら戦争の愚かさ、無意味さを痛感させる、なべげんのこのテイストを心より愛す。

    ネタバレBOX

    正面の壁にはギザギザした津軽地方の奥深い山、だが真ん中から赤と青に二分されている。
    敵対する二つの村、津軽と南部は川を隔てて隣り合っているが、実は密かに交流している。
    どちらもマタギの村で、協力して熊・鹿・ウサギなどの猟をするのだ。

    維新の嵐が東北に及んだある日、津軽側の鉄砲の名手栄助に、城から
    「南部を襲撃せよ」との命令が下る。
    栄助は悩んだ末、「フリっこでも良いんでねえが?」と南部側に持ち掛ける。
    手はずを整え、誰も傷つかずにフリだけで戦争は終わるはずだった・・・。

    のちに、津軽と南部は「青森県」というひとつの県になる。
    時代に翻弄され、あっけなく新しい制度の下に置かれ、
    戦後長く生き続ける栄助が、次第に老いていく姿の何と孤独なことだろう。

    「山の神」「行き倒れの女」「着ぐるみの熊」という
    一見力技的なワードがラストに見せる回収っぷりが素晴らしい。
    冒頭着ぐるみが出て来た時には想像もつかなかったが、
    このしみじみと哀しいラストはずっと忘れられないだろう。

    栄助役の三上陽永さん、コミカルなシーンも切ない場面も情感たっぷりで巧い。
    木村慧さんの声の表現の豊かさが、この作品のキモであり素晴らしかった。
    また観たい役者さんのひとり。

    エレキギターとドラムの生演奏のお二人が、普通に出番になると立ち上がって
    芝居するのが面白かった。これは素敵!


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    2024/05/06 02:16

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