パーティーが始まる 公演情報 TOKYO PLAYERS COLLECTION「パーティーが始まる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    若い時の思いが懐かしく蘇った
    男女の差こそあれ、私も、20代前半で、シナリオの勉強に余念のない青春を過ごしたので、主人公の心の内の随所に、思い当たる、懐かしい感情が再燃されて、他人事には思えないストーリー展開に、無性に懐かしさが込み上げて来るようでした。

    何と言っても、主人公の青年を演じた、渡邉とかげさんと、前園あかりさんの演技が、魅力的!!お2人を始め、総じて、女優さんが皆さん、好演されていました。

    ただ、お1人、信じられないくらい滑舌の悪い役者さんがいらしたのが、致命的に残念でした。その方の所属劇団、未見で、拝見するのを楽しみにしていましたが、この方が御出演なら、やめようかと思うくらい、壮絶な滑舌の悪さで、驚いてしまいました。

    あまり出番はないのですが、観客役の富永瑞木さん、15ミニッツメイドの時も素敵な女優さんだなと思いましたが、今回も、素敵な演技表現をされていて、すっかりファンになりました。

    遊び人の代名詞として、ある歌舞伎俳優さんの名前が上がり、個人的には受けましたが、一応、結婚したばかりだし、これからは、遊ばないかもしれないのだから、この時期にはややエスカレートし過ぎな喩えではと思いました。お嫁さんがお気の毒な気がして…。

    アフタートーク、上野さんがどんな方か確認できたので、おばさんは、早々に引き上げました。何だか、せっかくの舞台の印象が台無しになりそうな予感がしたので…。(餃子さんのレビューを読んで、やはり観ないで、正解だった気がします。)

    これは、あくまでも、1観客の希望に過ぎませんが、アフタートークの内容は、本編の芝居に見合った雰囲気で、お願いできないかしらと思いました。

    ネタバレBOX

    電車の中で、毎日出会う、見知らぬ異性に対する妄想とか、たくさんの名作があるのに、世間知らずの若い自分に一体何が書けるだろう、それでも書こうとする意味はどこにあるのかという、内面の葛藤とか、勇気を出して、言えない言葉の数々とか、ありとあらゆる箇所に、自分の若き記憶と重なるところがあって、終始、自分の青春時代に、心がタイムスリップしていました。

    「ショーシャンクの空に」も、ウデイ・アレンの映画も大好きだったし…。
    上野さんは、息子ぐらいの年齢なのに、こんなにも感情移入できる自分が不思議なくらいでした。

    とかげさんと前園さんの名演のお陰で、上野さんご自身に対する好感度もどんどん良くなっていたので、アフタートークは、あまり観たくない現実でした。
    他の日は、知りませんが、今日の巨乳トークは、この作品の上演後には不向きな感じが、どうしてもしてしまいました。

    弟が、好きな女性が携帯に出ないと心配になって、彼女の家まで走るシーンだけ、映像が使われていましたが、あれは必要なかったのではと思います。
    (面白かったけど、やや他の場面とトーンが違いすぎて、不自然な印象がありました)

    一番、グッと来たのは、幼い頃、絵本を読み聞かせてくれたのは、母親ではなく、より子叔母だったと、主人公が気付くシーン。叔母は、甥が可愛くて、ずっと読み聞かせを続けたくて、自分で、話を膨らませ、いつまでも、終わらないエンドレスな童話を話してくれたのに、実際は、叔母は、自らの命に、エンドマークをつけてしまったらしいことが、母親の台詞から推察され、その後に出て来る、主人公が、叔母の膝枕のような状態で、話を無邪気に聴いているシーンは、やるせなくなりました。

    こういう、心象描写は、本当に、お上手な作家さんだなと、いつも感心します。
    上野さん、女優さん選びの目も確かそうですから、次回も、楽しみになりました。

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    2010/08/08 02:10

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