銀河鉄道の夜 公演情報 青年団「銀河鉄道の夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    〈チーム蠍座〉
    平田オリザ流『銀河鉄道の夜』論な部分が非常に面白かった。確かにカンパネルラはそんなに良い奴でもないな。貧乏で虐められているジョバンニに唯一優しく接してくれるだけ。虐めっ子グループのザネリとも仲良いし、最期はそのザネリを救けて溺れ死ぬ。自分の中の正しさに殉じて死んでいく少年。理想の友達みたいに思っていたが、何かを背負わされている可哀想な子に見えた。自分の判断ではなく、常に何か誰かの評価を気にした行動。死にたかったのか?

    ジョバンニ役菊池佳南さんは顔立ちがキムタクに似ている。5人で一時間で『銀河鉄道の夜』をこなすという荒技。取り憑かれたように何役もこなす、たむらみずほさんがMVP。狂気すら感じた。一番、判り易いタイタニック号ネタを切るとは驚いた。何を切って何を残すのか、が面白い。原作についても考えさせられる。後ろのスクリーンに投影されるアニメが良い出来。3時間ぐらいのもうこれ以上はない『銀河鉄道の夜』なんかも創って欲しい。

    ネタバレBOX

    『銀河鉄道』とは、理想を追い求める人々の精神の世界である。人々はそれぞれに目的地、到着駅を定める。最高の価値観は『宗教』だったり『自己犠牲』だったり、鳥捕りのようにそれを商品化して売り捌く奴も現れる。ジョバンニが何故か持っている『何処へでも行ける切符』。それは現実世界に理想の世界を築く可能性のある純粋な魂の持主の証明書なのかも知れない。個々の美学に殉じて人は生き死んでいく。カンパネルラの死さえもジョバンニは感傷を振り払って生きていかねば。まだ切符は手にある。

    日本共産党都議会議員・そねはじめ氏のホームページに掲載されている論文が一番納得がいくものなのでお薦め。

    0

    2024/04/28 19:34

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大