どつぼ 公演情報 ナイスコンプレックス「どつぼ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    市街発イマーシブ演劇…阿佐ヶ谷編。劇場<阿佐ヶ谷アルシェ>を結婚式場に見立て、観客は これから始まる結婚式の参列者という 没入と言うか体験型の観劇。観客(参列者)によって好みが分かれる公演。自分は楽しんだ派。
    ちなみに イマーシブ演劇は、新郎が寺山修司を慕う劇団員という設定が妙。

    ホームページにあるが、本公演の始まりは、阿佐ヶ谷駅前で北口(新婦側列席者)・南口(新郎側列席者)に集合し、阿佐ヶ谷の街を散歩しながら「結婚式の会場となる阿佐ヶ谷アルシェ」に向かう。散歩は新郎コースと新婦コースの2つ。先導する案内人(濱仲太サン)が、Zoomを使って 店や景色などに思い出や2人の出会いや抱えている悩みなどを説明しながら歩く。そこに結婚式会場で起こる事の伏線が散りばめられている。

    結婚式を挙げる迄の苦労話。それは世界的な感染症「ゾンビ禍」で順延を余儀なくされたカップルの苦悩を、ナイスコンプレックスのコンセプトである「実際にあった事件をモチーフに描いている。現実にあったであろう事を観客に体験させることで知ってもらう」を意図している。まさしく劇場のみで完結するのではなく、観客の脳髄に作品の一瞬を焼き付け残したもの。

    説明にある「結婚式を控えていた普通の人間。全ての準備が整ったその時、世界は『ゾンビ禍』となる」は、どのような状況下か 容易に想像がつく。公演の結婚式は3回目という設定---延期・中止・決行中断、そして有り得ない事態への「慣れ」は怖いが、それでも人間は逞しい。そんなことを改めて感じさせる公演。
    (上演時間2時間15分 散策含む)【新郎側参列者】

    ネタバレBOX

    寺山修司は、1975年4月に<ノック>と称し 阿佐ヶ谷近郊を劇場に見立てた実験演劇を行っている。閉ざされたドア、閉ざされた心をノックしてみる という謳い文句であったよう。
    阿佐ヶ谷アルシェには何回も行っており 道順は知っていたが、改めて街中を散策してみると面白い。案内する場所---例えば、スナック ラスベガス等は公演に関わりがあることから、もう少し詳しく説明してもよかったかも(同じ場所に長く止まることは出来ないが)。

    舞台美術、当初は新郎・新婦側の参列者という前提であるから 左右に分かれ椅子に座り、中央はバージンロード。物語(挙式)が進むにつれて椅子の位置やテーブルが運び込まれ 変形していく。

    以降追記する

    0

    2024/04/28 10:08

    1

    0

このページのQRコードです。

拡大