朗読ユニットさざなみvol.6宮沢賢治名著 公演情報 朗読ユニットさざなみ「朗読ユニットさざなみvol.6宮沢賢治名著」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    <朗読ユニットさざなみ>は未見であったが、情感に溢れ 安定感ある朗読劇といった印象だ。今回は、宮沢賢治名著として3作品<①どんぐりと山猫 ②注文の多い料理店 ③よだかの星>の朗読であった。3作品のうち<どんぐりと山猫>は知らなかったが、なかなか皮肉と言うか辛辣なラスト。他の2作品は読んで知っていたが、朗読劇として聴くと、また違った味わいのある物語に思えた。小説は、自分の頭の中で平面的な空想を広げるが、朗読は役者の肉体(感情)を通して 物語が立体的に立ち上がるような感覚。さらにギターやフルートによる生演奏が情景を豊かにし、登場する者・物・モノが動き出すような躍動感が生まれる。

    朗読するのは、小林千恵さんと中瀬古健さんの2人、演奏は 夜ヒル子さん。朗読は聞き取りやすく安定感がある。時に声色や表情を変え、物語に登場する者たちを息衝かせる。演奏は、朗読の妨げにならない程度の音(量)で賑やかさを出す。この絶妙なバランスが心地よい。

    さて、ユニット紹介には「主に日本の近現代文学作品を表現する」とあり、「改めて日本文学を読もうと思ったのは宮沢賢治の『よだかの星』がきっかけ」とある。今回も「よだかの星」を朗読しているが、本公演では不思議と よだか が力強く生きていることが感じられる。勿論 よく言われる弱い者いじめや外見の美醜による差別といった 先行イメージを持っていたギャップによるものであるが、その状況に甘んじないといった何かが…。因みに、さざなみは2022年のコロナ過に結成とあり、云わば逆境の中での活動開始---その意気込みのようなものが朗読に影響しているのだろうか。

    卑小、主催側の責任ではないが・・・。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    中央にテーブル、そして3人が横並び。どんぐりと山猫 の時にはガベル 、注文の多い料理店 の時には卓上ベルがテーブルに置かれる。それぞれの小道具は物語に関係したものであり、話を展開する上で効果的な役割を果たしていた。

    さて、自分が聴いた回は、観客の中に長く咳き込んだ方がいて 気になった。さらにドリンクを床にこぼし、中央で録画(撮影)していたスタッフが急遽 床拭きをすることになった。全体的に静かで落ち着いた朗読劇、その中で集中力を欠くような状況になったことは少し残念。

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    2024/04/21 11:24

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  • タッキー様
    この度はご来場くださりありがとうございました。
    素敵な感想ありがとうございます。宮沢作品は読めば読むほど印象が変わり、私たちも稽古を重ねるにつれて表現が変わっていきました。よだかの星は“死”について問う作品であるのかとも思います。これからもお客様に楽しんでいただけるよう精進してまいります。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
    また、ドリンクや咳でご迷惑をおかけしてしまったこと深くお詫び申し上げます。
    今後同じことが起こらないよう対処してまいります。

    2024/04/24 12:28

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