雲煙 公演情報 劇団青桜「雲煙」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    冒頭、駅のホームのベンチ、環幸乃さんと友達になれたことに狂喜する女子高生。木内みどりっぽくて「この人好きだな」と思って観ていた。終演後確認したら杏奈さんだった。いや結構観てきた筈なのに、初めての感覚で観ていたことに驚き。彼女の感情表現は深く伝わる。

    女子高生のしょげさんはメンコン(メンズコンカフェ=ソフトなホストクラブ)のキャスト・篠原諒氏にハマって案件(パパ活=売春)で稼いで貢いでいる。環幸乃さんは何故か輝いて見えるクラスメイトの彼女に憧れている。トー横界隈で巡廻と補導をしている女性刑事(渡邉真央さん)。彼女の上司の刑事(小崎隼大〈こさきよしひろ〉氏)の裏の顔は少女買春が生き甲斐。篠原諒氏には本命の彼女(五条おとさん)がいて、金を貯めて結婚を考えている。酒(ドラッグ)と金とSEXしかない世の中で、皆ここから逃げ出す“希望”を何処かに求めている。それは他愛もない嘘でもよかった。

    ネタバレBOX

    役者が仲間集めてやると大体こんな感じになる。構成を弄って時系列をシャッフルした方がいい。屋上でキスして飛び降りるシーンから始めるとか、話と人間関係に興味をもたせる工夫が必要。“謎”という餌を撒いて。今作だとラスト15分まで話が動かないので退屈。もっとエピソードを捻り、要らない登場人物を削って短くするべき。つまらないものを美味しくする魔法のことを“才能”と呼んでいる。HIVキャリアと同性愛でドラマを作るのは流行りか?

    昔、渦中のオウム真理教の幹部に作家・藤原新也が世俗に還ることについて訊ねた。幹部は笑って「こんな世の中、金とSEXと食い物しかないじゃないですか。こんなもんのどこがいいんですか?」と答えた。

    皆、誰かに必要とされたがっている。汚い臭いおっさんでも、自分に価値を見出して金を払ってくれることで安心する。きっと自分には価値があるのだと。他人に保証して貰わないと安心できない。皆自分の存在に自信がない。だからいつも何かにすがっている。まるでこれは宗教の構図だ。

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    2024/04/01 18:37

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