実演鑑賞
満足度★★★★
近代劇の代表作であり、フェミニズム運動の勃興に影響があったと言われる作品(翻訳劇)。それを格調高く丁寧に描いており好感が持てる。この劇場では珍しいL字型客席で、舞台美術(調度品)は豪華仕様を思わせるもの。
物語は、端的に言えば<女性の人間としての自立>を描いたものと言えよう。男(父や夫)に守られ、言いなりになっている従順な女(妻)という立場・意識からの解放、今でも色褪せない課題や問題を孕んでいる。同時に自立=働くことは、生活の糧を得る手段だけではなく、生き甲斐といった目的・目標を持つことが出来る。そんな前向きな生き方をも観せる。女は家の中にいるだけの おとなしい人形ではない。
公演は、劇中でタランテラを踊って観せ、女性の明るく陽気な一面を覗かせる。膨大な台詞で紡ぎ、ダンスという躍動感で味付けをする。実に演劇らしい魅せ方だ。また音響・音楽の印象効果、照明の階調による余韻等、舞台技術も上手い。
ただ気になったのが、演技力というか…。
(上演時間2時間50分 途中休憩15分)追記予定