the sun 公演情報 カンパニーデラシネラ「the sun」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    カミュの未完の自伝小説、短編小説をもとに構成された舞台。
    日本ろう者劇団のメンバーのほか、それぞれ異なるバックグラウンドを持つダンサー、俳優の参加を得て、カミュの文学が空間化されていく。いつもながら驚かされるのは、舞台上にあふれる「言語」の多様性とそれらが切り替わり続けながら時間を構成していく推進力。

    「言語」とはもちろん、手話や生演奏(驚くべき活躍!)の音楽のことだけではない。カミュの書いた物語に沿った(いわばマイム的、演劇的な)場面もあれば、そこから離れ、書き手をも含む世界を俯瞰するような場面もあり、自在に視点が、語り方が変わり、それにしたがって演技も動きも変わっていく。

    かつて同じ作家の『異邦人』を題材にした時から、さらに、文学とその世界を舞台化することへの挑戦の深度が増していると感じた。

    ネタバレBOX

    複数の小説の断片を組み合わせて構成されており、かつ、その内容をそのまま演じているのではない——とすると、観客にとってはそこで何が表現されているのか、舞台の構成をどう受け止めるのか、難解に感じる面もありそうだ。舞台を観た後に作品に触れる面白さがある——ということか、あるいは当日パンフレットなどで触れられる情報を増やすのか、その辺りのスタンスをどこに置くか、これは考える余地(と楽しみ)のある課題だとも思う。

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    2024/03/28 00:09

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