Oh so shake it! 公演情報 TeXi’s「Oh so shake it!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    上演会場は王子にある「北とぴあ カナリアホール」。ここは天井のシャンデリアが特徴的なんだよなぁ…と考えつつエレベーターで14階へ上がる。受付には喪服のスタッフさん、会場内も喪服のスタッフさんが。なんと客席も黒い服装が多め。客入れの音楽が静かに流れるなか、席に座り天井のシャンデリアを見上げ、このセレモニー感に「なるほど」と思う。タイトル通り、TeXi'sによる「擬似的葬儀」をモチーフにした一作。(上演が始まると、ステレオタイプな葬儀風景をあまり連想させないため、そのギャップも印象的でした)。

    ネタバレBOX

    主な登場人物は3人。オンラインゲーム内で出会った若者らしい。3人はお互い顔も本名も知らず、4年の長い年月をゲーム内で共にし、コミュニケーションを深めてきた。コロナ禍もあり、社会との接点を上手く作れずストレスを抱える3名は、ある者は引きこもり状態となり、またある者は社畜状態を連想させるなど、現代社会での「生きづらさ」と直面している。

    発信上手の受信下手。幼少期からSNSに囲まれて育った世代の、自我や生きづらさを強烈に感じる…と書くと、世代間ギャップの論調に陥ってしまうかもしれないが、観劇しながら「…生きづらいのだろうなぁ」と感じてしまいます。人間は大なり小なり生きづらさを抱えるものです。でも、若い世代のそれは、世代特有の形をしているのだろうし、その姿を覗き込みたい衝動に駆られました。

    ただ、物語全編に登場するオンラインゲームの描写が、ゲーム知識や経験の有無で理解しやすさ/しにくさが生じるなど、やや分かりにくい構造になっていたのは残念でした。時系列を組み替え、シーンを何度も反復させるなど、全体的に観劇難易度高めの「ハードモード」に感じられました。

    生きづらさを抱える3名の若者が「直接会いたい」「いや会いたくない」と各々の意思を錯綜させ、その結果が「擬似的葬儀(=これまでの関係性を終わらせる)」であれば、それは3名にとって悪い結論ではないはず…と思いたい。個人アカウントを急に削除するような「死」であって欲しい。その先に、少しでも希望が見えることを望みます。

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    2024/03/24 21:49

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