廃墟ブーム 公演情報 サイバー∴サイコロジック「廃墟ブーム」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    劇団の特徴は掴めたけれど
    初見です。劇団紹介に「ナンセンスとミステリを基調とした作品を創作している。異常な建築美術で繰り広げられる、シュールな方言会話が特徴的」とあり、「盤外の公演」ということでしたが、その特徴は感じられました。
    ルデコの空間をうまく生かした劇だったと思います。
    アンケート用紙にあった過去公演記録を見ると、コント公演も何度かやられてるようですが、そのわりに会話があまり面白く感じられなかった(あくまで個人的な感想ですが)。
    もちろん本作はコメディではなく、いちおうシリアスな劇だとは思うのですが、さりげなく笑いの場面はあり、そこが自分にはピンとこなかったです。
    登場キャラクターもいまひとつの感で、劇団としての特徴はつかめたのですが、焦点がぼやけているような印象は拭えませんでした。
    東大の学生劇団、Radishや劇工舎プリズムあたりで出そうな演目だなぁと思って観ていました。

    ネタバレBOX

    中性的な白井肉丸(凄い芸名ですね。痩せていらっしゃるけど 笑)演じる田嶋岬に付いて、岬の父が残した廃墟にやってきた友人の士度(辻貴大)と悠理(栗原香)の役にこれといった特徴が感じられなかったのが残念。辻は、東大のシアター・マーキュリーで好演しているだけに、もったいなかった。
    廃墟プロデューサーの日窒(下野友也/「日窒」というのも変わった役名ですね)のヘラヘラした感じが面白かったが、これは下野の表情が面白いのであって、役としての面白さではない。
    過去の場面の人たちは、岬の父、馨(平平平平)、機械工学博士のDr.小百合(正木英恵)、馨が雇った派遣社員の江崎(駒橋誉子)らが開演前から客席に紛れてすわっている。暑いといって上半身ブラジャー姿になる小百合、電卓よりソロバンが得意なメガネっ子江崎は、そのちょっと変な行動がとってつけたようで全然面白く感じなかった。武子太郎は死後復活したアインシュタインを大真面目に演じていて、藤村俊二みたいな飄々とした味が出ていた。
    一番面白かったのは、過去と現在をつなぐキーパーソンとなるホームレス女(定塚由里香)。奇妙な存在感、得体が知れない可笑しさがあり、個人的なことで申し訳ないが知人にそっくりな風貌なのでふきだしそうになった。その知人も芝居好きで、いくら好奇心が強くてもまさかブルーシートのセットの中にまでは隠れていないだろうと思ったが、ほかの役者のように客席にすわっていたら見まちがえたかもしれないほど似ていた(笑)。
    ブルーシートが核シェルター並みに放射能も透さないという強引な設定には笑ったが。
    過去の研究者の一団をNHKの「プロジェクトX」になぞらえるオチがつくが、これが残念に思えた。それなら、その前に中島みゆきの主題歌は流さないほうがよかったのでは。
    細かい点では岬が士度に命じて図書館の産業年鑑を持ってこさせる場面があるが、普通、年鑑類は性格上、館外持ち出し厳禁なのでは?しかも、岬は該当ページを破ってしまう。ヒドイ(笑)。
    終演後、アフタートークで、主宰の松澤孝彦と出演者の下野友也が「90年代ホビー」について語り合った。スーパーファミコン、ミニ四駆、ポケモンなどの話題で、自分はちょうど90年代に「子どもの消費行動」を仕事で取材していたのでまったく興味がないわけではないけれど、どうせアフタートークをやるなら、芝居についての対談をやってほしいと思う。大学のサークルのイベントではないのだから。

    6

    2010/07/30 10:51

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  • tetorapackさま

    >そうだったんですか。さすが詳しいなぁ、きゃるさんは。

    いえいえ、劇団紹介にそう書いてあったのを読んだだけです(笑)。

    >うちのは、さらに激しくて、「トイレのアメニティーや清掃の整っていないところは、劇場を含めパブリックスペース全体において、必ず客層から見放され、衰退するか、つぶれる。また、トイレの存在をどう考えているかで、その店などの資質や自信、こだわりが分かるものよ」とまで言い切ります。

    そう、プロ野球などは、それで女性客離れを心配し、少しは改良したみたいです。知人の男性が何年か前に「球場はトイレが汚いじゃない?女房は誘えないんだ」と言うから、あれでも改良されたのになーと思ったことあります。それを言ったらシモキタの劇場のほうがもっと私には深刻です(笑)。あるとき、駅前劇場で、開演前、男性客が「トイレ貸してください」とスタッフに言ったら、スタッフが「いま、通路を関係者が使ってるので、駅のトイレへ行ってください」と答えたんです。その男性、「え?いまさら、駅に行けって言うの?」と憮然としてました。

    >うちの女房殿と出かけるときは、食事どころも、まずトイレで女房が利用するかどうかを決めるくらいです。

    私の母が風呂・トイレの清潔にうるさく、父がそうでしたね。父はドライブしてて一見さんで宿を探す名人でしたが、まず「風呂とトイレ見せてください」って薦められた部屋に入っていき、「うちは家内がうるさいのでこれでは無理です」って出てきて、車内にいる私たちに「ダメ」というサインを送るのです(笑)。レストランでも父に先にトイレに行かせ、「綺麗?」と聞くのです。「綺麗」と言わないと、絶対に行かない。でも、そういう女性、友人にもいます。

    >駅のトイレは絶対に使わず、近くにあるデパートとか、トイレのアメニティのよいところまで、付き合わされます。なので、いつの間にか、私も教育され、そのように思うようになりました。ですので、この記述を読んで、つい書いてしまいました(笑)。

    ああ、うちと同じ(笑)。私は最近、駅のトイレも比較的綺麗なところは妥協して入るようになりました。昭和のころの駅の公衆トイレの汚さはひどかったですものね。私が住んでた吉祥寺駅のは特にひどかった。いまでは考えられないほどです。

    >アゴラは拠点形成推進事業で多額の補助金が入るんだから、トイレだけでもリニューアルしてほしいですよね。

    ホントですよね。あんな旧式で狭いだなんてあんまりです。

    >なお、王子で観劇の際は、駅から王子小劇場に向かって駅からすぐの「北とぴあ」のトイレ(各階にあるので、混まずに便利ですよ)は凄くすばらしいですよ。劇場「pit北/区域」で観る時は、私もよく利用させてもらっています。

    夫も探して、北とぴあを薦めてました(笑)。

    トイレ談義、失礼しました。でも、観劇にはけっこう重要なポイントではあるんです。

    2010/08/06 04:00

    きゃるさん

    >この劇団の「建築美術」に力を入れてるというのも、個人的にはちょっと注目なんですよね。

    そうだったんですか。さすが詳しいなぁ、きゃるさんは。

     でもって、劇場の相性や好き嫌い、やっぱりありますよね。脱線しますが、トイレの問題ですが、

    >いまやトイレのアメニティの問題はかなり重要で、~

     この下りを、うちの女房殿に見せたいくらいです。きゃるさんと全く同じだからです。うちのは、さらに激しくて、「トイレのアメニティーや清掃の整っていないところは、劇場を含めパブリックスペース全体において、必ず客層から見放され、衰退するか、つぶれる。また、トイレの存在をどう考えているかで、その店などの資質や自信、こだわりが分かるものよ」とまで言い切ります。うちの女房殿と出かけるときは、食事どころも、まずトイレで女房が利用するかどうかを決めるくらいです。それくらいなので、さすがに女房殿は、都内で行ったことのある場では、それは見事なくらいにトイレの綺麗なスポットを熟知していて、駅のトイレは絶対に使わず、近くにあるデパートとか、トイレのアメニティのよいところまで、付き合わされます。なので、いつの間にか、私も教育され、そのように思うようになりました。ですので、この記述を読んで、つい書いてしまいました(笑)。

    >あと、トイレの問題があります。シモキタの駅前劇場とOFFOFFは初めて行ったとき、絶句しました。
    >こまばアゴラは、客層はおしゃれなのにトイレが作業場並みで狭すぎる気がします。

     下北の駅前劇場とOFFOFF、よくわかります。また、アゴラも、おっしゃるとおりですね。男性用もすごく狭いですし、旧式。アゴラは拠点形成推進事業で多額の補助金が入るんだから、トイレだけでもリニューアルしてほしいですよね。なお、王子で観劇の際は、駅から王子小劇場に向かって駅からすぐの「北とぴあ」のトイレ(各階にあるので、混まずに便利ですよ)は凄くすばらしいですよ。劇場「pit北/区域」で観る時は、私もよく利用させてもらっています。

    2010/08/06 00:20

    tetorapackさま

    この劇団の「建築美術」に力を入れてるというのも、個人的にはちょっと注目なんですよね。

    >あと、ぜんぜん別の観点なんですが、以前はル・デコはものすごいペースで行っていたのですが、結果として、気に入った作品に当たる確率が低く、どうも最近、相性の悪さを感じまして……。

    ああ、そういうのはありますね。自分の場合は確率の点では王子小劇場です。あと、トイレの問題があります。シモキタの駅前劇場とOFFOFFは初めて行ったとき、絶句しました。シモキタは外で借りられるのが駅か公衆トイレか北沢タウンホールくらいで、北沢は内部備品が壊れかけてる(笑)。自分は男女共用のところも苦手で、こちらは挙げるときりがないのでやめておきますが。いまやトイレのアメニティの問題はかなり重要で、昔は映画館、近年は野球場の女子トイレが汚いので「デート向きじゃない」と言われて、整備された時期があったけど、小劇場はその点まだまだ、というか野球場以下ですね。こまばアゴラは、客層はおしゃれなのにトイレが作業場並みで狭すぎる気がします。

    2010/08/05 09:28

    きゃるさん

    なるほど、なるほど、そうでしたか。ご丁寧にありがとうございます。

    >私の推測ではtetoraさんなら4点つけられた気もしますが。

     えっ、これは観ないで失敗したかな(笑)。まあ、次回はチャンスがあれば、観てみようかな。チケプレとか当たったら。

     あと、ぜんぜん別の観点なんですが、以前はル・デコはものすごいペースで行っていたのですが、結果として、気に入った作品に当たる確率が低く、どうも最近、相性の悪さを感じまして……。あのコンクリート打ち放しの構造で、真ん中に太い柱が邪魔になって座るところに悩んじゃうし、あの金属的な無機質さにも、どうにも着いていけなくなりまして、ル・デコ公演は結構パスしちゃって、別の劇場のを優先して入れてしまう傾向にあります。そんなことじゃ、いけないのですが、なんか落ち着いて観られない感じで(笑)。タイニイアリスとシアターモリエールもそうですが、これはどうしても観たい!という作品でない限り、パスしちゃう自分がいるのです(笑)。

     逆に、遠くても、観やすく、相性のいい、d-倉庫とか、川崎アートセンターのアルテリオ劇場とか、彩の国とか、シアターXとかは、かえって「この劇場でやる公演なら、いいかも」と積極的に入れちゃいます。相性って、あるんですかね? このところ、とみにそう思えてきちゃいました。

    2010/08/05 01:11

    tetorapackさま

    コメント、ありがとうございます。

    >いや、別にフライヤーのミニスカートではありませんが(笑)

    あははは・・・、予防線的リップサービス、ありがとうございます。この彼女、劇中黒レースのキャミやブラジャー1枚にもなってくれたので、tetoraさん大満足されたかもしれませんよ。残念(笑)。
    私も、良い部分を評価すれば4点つけられたろうし、難しいところですね。ただ、雨模様さんが指摘されていた部分、私も気になりました(クロカミショウネンのズボン問題とも相似してますが)。笑いが自分の好みとしてはいまひとつだったので辛めになりました。アキラさんやKoujiさんが指摘されてるように、もう少しカッチリはまれば、もっと面白くなると思い、その「カッチリはまる」が自分の表現だと「焦点がぼやける」という言い方になったんですね。
    私の推測ではtetoraさんなら4点つけられた気もしますが。
    本公演を一度観てみたいと思っています。

    2010/08/02 19:47

    きゃるさん

    これ、私も気には留めていたんですが、いや、別にフライヤーのミニスカートではありませんが(笑)、どんな中身なんだろう?と。

    でもって、スケジュールが合わずに、というか、別のを優先して決めてしまったら、日程が埋まってしまった、ということですが、それだけに、きゃるさんはじめ、メンバーのレビューは興味深く読ませていただきました。皆さんのレビューをつなぎ合わせると、内容や筋立てはなんとなく、おぼろげながら分かりました。

    アフタートークも、きゃるさんや、手塚さんのを読むと、そういうアフターをやる感じがなんとなくですが、やはり、「ああ、なるほどね」と。それを好む方もいらっしゃるのを承知した上で、割れるんだなぁ、たぶん、自分もきゃるさんと同じサイドかな、と。

    >もちろん本作はコメディではなく、いちおうシリアスな劇だとは思うのですが、さりげなく笑いの場面はあり、そこが自分にはピンとこなかったです。
    >登場キャラクターもいまひとつの感で、劇団としての特徴はつかめたのですが、焦点がぼやけているような印象は拭えませんでした。

    との、きゃるさんの下りが、特に、「ああ、なるほどね」と感じた次第です。たぶん、合う、合わないが、だいぶはっきりするタイプの芝居かな、とも。なんか変な意味で済みませんが、全ての方のレビューを読んで、総合的に勘案すると、「しまった。これは観とけばよかった」と後悔する感じは自分の中に浮かびませんでした。私には、あまり合わないタイプの芝居かな、とも思いました。まあ、実際、観ていないので憶測に過ぎませんが…。

    2010/08/02 17:52

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