実演鑑賞
満足度★★★★
完成度高し。
「人民の敵」(又は民衆の敵)は縁あって良く観ていて今回が五本目だろうか。コットーネ、小山ゆうな演出ユニット(雷ストレンジャーズだっけ)、ハツビロコウにどこかは忘れたが狭小空間での上演も良かった。
東演の今作の演出西川信廣氏は分かりやすい作りにワンポイント攻めた趣向を盛り込むのが特徴(という印象)だが、今回は乘峯氏の美術のホリゾント一面に張られた背景画が見事で、空の部分の照明の当て方でガラッと変わる(時刻or季節を知らせる)。劇場としては本来舞台裏の通路に使ってるのでは、という急激な傾斜の階段が奥の上手下手にあり、ここから出ハケもやる。ただし開幕では主要脇人物が各所に立ち、暗がりで開始を待つ静止のポーズでバシッと構図をキメ?。そして左右の壁沿いに置かれた椅子に出番が終われば戻る式の演出で暫く進む。これらを流麗にこなすのを見て東演俳優も中々、と思う。
話は把握しているので多少の話の筋の分かりにくさにを無意識に補っている可能性もあるが、流れは良く、あとは細かなキャラ設定で、醸し出すリアリティが変わる、そういう部分になって来る。神は細部に宿る、とも言う。今回の東演版「人民の敵」はどういう特徴を持ったか、時間があれば書いてみる。