お茶を一杯【当日券若干枚数あり!開演の45分前から販売開始!!】 公演情報 浮世企画「お茶を一杯【当日券若干枚数あり!開演の45分前から販売開始!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「友達の友達」の先にある闇
    「友達の友達はみな友達だ」という言葉が流行ったことがあるが、意外なところでつながっている人間関係のお話。
    旗揚げ公演の前回作品より今回のほうが断然面白いと思った。今後、どんな作品が出てくるか楽しみだ。

    ネタバレBOX

    フリーライターの奈々(長島美穂)はバイセクシャルで、仕事先の出版社社員氏家千里(今城文恵)とレズビアン関係にある。カミングアウトはしているものの、千里との関係だけは秘密にしていた。奈々はそのことに苛立っている。奈々と親しい出版社のアルバイト朝倉(金沢啓太)は、彼女の多恵(鈴木アメリ)公認でもうひとりの彼女(登場しない)と付き合っており、交互に女の家に遊びに行っていた。朝倉の幼馴染の遼(楚本幸良)は多恵とも同僚。千里の同僚、宇佐見(赤崎貴子)は昔、売れない絵描きの横川(信國輝彦)と付き合っていたが、横川は奈々の兄で、実家への無心が頻繁なので奈々は兄を疎ましく思っていた。千里にアタックしてもまったく相手にされず悶々としていた同僚の平田(岩田裕耳)は、帰宅する千里を尾行し、奈々との関係に気づく。平田は歩いていてすれ違った多恵を攻撃しようとしてかわされ、次に奈々を刺そうとして、奈々と立ち話していた宇佐見を誤って刺殺してしまう。平田役・岩田の根暗な不気味さ、奈々役・長島の的確な演技、優柔不断な関西弁なまりの朝倉・金沢が印象に残った。朝倉が遼に悪事をそそのかしていた小学生時代の回想場面、金沢・楚本の子役演技がともに自然で、一見ソフトなのに人を支配しようとする朝倉の一面を見せるのが上手い演出。千里と別れを決意した直後の奈々が宇佐見との交流を予感させる場面で宇佐見が殺され、2人の人間関係が突然終結させられてしまう虚しさも何が起こるかわからない現代の危うさを象徴していた。
    「お茶を一杯」は、宇佐見が横川に入れてくれたお茶の思い出からきている。
    複雑な人間関係だが、現代の断面を切り取ったような作品で興味深かった。ときどきケータイ画面のツイッターの文字が舞台スクリーンに投射されるが、文字が小さく、近視がひどいこともあって、私の座っている位置からは、
    まったく判別できなかった。そのため、最後のオチがケータイ画面に映し出されたとき皆が笑っていたが、何のことかわからず、終演後、出演者に教えてもらったという次第。スクリーンを使用するときは配慮してほしいと思った。開演前、「中央部分で喫煙シーンがあるので、タバコが苦手な方は奥のほうにお座りください」という注意があったが、当方、気管支が弱くタバコの煙にむせてしまうので有難いと思った。

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    2010/07/27 10:35

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