お茶を一杯【当日券若干枚数あり!開演の45分前から販売開始!!】 公演情報 浮世企画「お茶を一杯【当日券若干枚数あり!開演の45分前から販売開始!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    距離感の秀逸なコラージュ
    シーンごとの質感や人々の感情の表現、
    さらにはそのつながり方に洗練があって。

    様々な距離感が、シーンの中に配置されていて、
    「今」の秀逸なコラージュに
    情報や記憶の不思議なリアリティが
    膨らんでいく。

    やってくる感覚に厚みがあり、とても瑞々しく、
    作り手の表現の鋭さと確かさに
    キャラクターたちのそのままの内心が
    驚くほどしなやかに伝わってきました

    ネタバレBOX

    様々な距離が織り込まれていきます。
    ネット上に浮かぶものから、
    友人、会社の同僚たち、上司と部下、恋人、別れた恋人、同性の恋人、
    見知らぬ他人まで・・・。

    表現に絶妙な力加減のようなものがあって、
    無理強いされることなく
    観る側がそれぞれのシーンをすっと受け入れることができる。
    よしんば、殺人までが織り込まれても
    シーンの色を構成するキャラクターたちの感覚に、
    不思議な自然さがあって
    物語全体の流れに
    強いリンクやインパクトがないにもかかわらず、
    キャラクターたちの想いが個々のものとして
    それぞれの距離感の中で
    しなやかに醸成されていくのです。

    すっと過去に裏打ちされていくような過去のシーンが
    まるで「今」を支える裏地のように
    要所に縫い込まれて
    キャラクターたちの表層的な想いに
    豊かなふくらみを導いていく。
    いくつもの感覚が重なり合い
    それぞれの色の重なりが、
    その世界にプロットされて
    「今」という時間への驚くほど自然なデフォルメに
    観る側が染められて。

    音、匂い、ルーズにつながっていく人間関係・・・。
    淡々と描かれる想いは多様でありながらぶれがない。
    さらなる洗練の余白はあるとしても
    観る側を浸潤するには十分なクオリティで
    作り手の世界が観る側にしみこんでくる。
    舞台美術も、随所に工夫が見られ、
    作品の世界観をしっかりとサポートしていて・・・。

    空気のようにやってきて
    観る側が取り込まれているという意識もなく
    作り手が描く世界の具象に染められてしまう。


    派手さが表にでる舞台ではないのですが、
    終演時には
    作り手独特の感性というかテイストに
    たっぷりと浸されていて。

    今後、どのような作品が作られていくのか
    とても楽しみな劇団が一つ増えました。


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    2010/07/27 07:19

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