家庭の安らぎの喜びと恐怖 公演情報 本能中枢劇団「家庭の安らぎの喜びと恐怖」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    パンを与えた民衆
    おフランスでは、パンがなければお菓子を食べればいいじゃないの。なんて言葉が歴史に残る中、本能中枢劇団では、フライヤーを通して観客に「パン持参」とお願いするなど世の中は混沌としておりますが・・・、

    主宰 西島明曰く。「ぼくはただ、秩序だった物語には観客としても飽きているので、シーンを「物語ること」に代わる「部分」や「カケラ」のように並べ、わからなくても眠くならない舞台を作りたいと思ったのです。

    そのためには、マンジュウをわきの下で暖める女や、氷をつめたランドセルに顔をつけて涼む男などを登場させ、舞台と客席が体臭や体温のイメージを互いの中枢神経を通して共有する必要がある、と本能的に思っています。」とのこと。

    確かに物語りはカケラのようなコントもの。そのコントはコメディか?と問われたら失笑してしまいそうな、まんま苦笑!とか、失笑!の世界観。観客の感性で好みが割れる芝居だと思う。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    緩くてバカバカしいコントの連打。その打撃は馬鹿笑いとは程遠いゴロ球。そんなだから、ストローの袋を吹いて飛ばしたり、テディベアだと言って、北海道の木彫りの熊を重鎮を抱きかかえるように登場させたりと、ナンセンスな笑い。殆どが何の根拠もないような短編の集りだから、万人受けはしない。だから、これを観て心が震えるような感動とか、落涙とか、そういった物語から受ける感銘は何もない。

    ワタクシ自身はこれだけの芝居の本数を観ているが、秩序だった物語を観客としては全く飽きていない。そんなだから、わからなくても眠くならない舞台を観たいとはあまり考えていない。観客に解るように眠くならない舞台を作って初めてプロの作り手だと認識するし、そうあらねば自己満足で終わってしまうからだ。

    究極、作り手は観客を喜ばせ満足させてナンボの世界だと常日頃から思っている一人だし、また、観客あっての劇団だと思う。この劇団の表現方法はコントとして、「まあ、ちょっと観てやるか。」くらいの生ぬるいナンセンスコメディだから、これを観て失笑しユル楽しい世界には違いないが、それだけだ。。

    で、当のパンは何に使ったかだが、舞台でちょっと一回だけ使用した程度で、残ったパンはたぶん、スタッフと役者らが喰らうはずだ。これこそが本能中枢劇団の喜びではないか。パンがなければ・・・なんて不景気はどこ吹く風なのだ。笑

    0

    2010/07/24 17:49

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大