実演鑑賞
満足度★★★★
心優しい御爺さんには金品が与えられ
欲深く底意地の悪い御婆さんには罰が当たる
残酷な表現はあっても、最終的に溜飲が下がったからまぁいいのか…というのが昔話「舌切り雀」
幼少期ではそれがおおよその印象じゃないかと思うのだけれど、全く違った側面を見せてくれる舞台版「舌切雀」
男と女の色合いが濃い夫婦愛の中に入り込んでしまった雀
夫に見える雀は愛らしい少女で(ミュージカル俳優じゃないかと思うくらい)声が綺麗
俄然、純愛不倫という言葉が浮かんでくる
遂には切りつけられる雀も可哀想だけれど、これでは妻があまりに・・・観ているうちに妻が持ち帰るであろうつづらのくだりが凄く気になってきて・・・一体どんな結末が待っているのか
「誰よりもおじいさんがおばあさんを愛した証拠」かぁ、大人の女性達が暴動を起こしそう(ウソです)
理不尽だけれど、それ故感慨深さの残る物語
観る側の立場によってざわつき方が違いそう
繊細でユニークな映像技術が御伽草子の世界観に一役も二役も買っていました