実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/02/13 (火) 14:00
ニクスの看板・女歌舞伎の第3弾。今回はほとんどの出演者があでやかな着物姿で登場するのでかなり豪華絢爛、美しい絵巻物を見ているという印象。物語の進行を忘れてしまうほどだ。
というのも、物語の面白さという点では「さんせう太夫」の方がいいと思うからだ。愛し合う二人が最後に再会するという物語は、安心感を持って見ることができる。それゆえ、舞台を彩るさまざまなところに目が行く。
出演者で出色だったのは、語り部役を務めた河西茉祐だ。お目々くりくりの美形であり、よく通る声とお茶目な演技は主役の2人を上回っており、語り部がそんなに目立ってどうするの?って感じだ。一方で小栗判官役の寺田結美はその長身もあるが堂々たる存在感。舞台を最後まで引き締めた。
残念だったのは、照手姫の人形を操った百鬼ゆめひなで、もっと出番があるとよかった。オープニングとラストに登場させるだけなら、照手姫の人形バージョンはなくてもよかったのでは。また、駒田早代の三味線は舞台をあでやかにする効果抜群であった。
今作の舞台は、若い女性がいつもより少なかった気がする。おじさん好みの演目なんだろうか。