ツイッター・ア・ゴーゴー! 公演情報 マグズサムズ「ツイッター・ア・ゴーゴー!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ツイッターを生かした面白さが感じられなかった
    ツイッターを取り上げると知ったとき、嫌な予感がしたが、実際に観劇してみて、
    的中した。「誰かのつぶやきが、その瞬間、他の誰かを突き動かして、複数の場所で状況が変っていく」とフライヤーにはあるが、実際の劇は「他の誰かを突き動かして」というふうにはなっていない。ふつうの恋愛コメディーにツイッターがアクセサリーとして挿入されているに過ぎず、特有の面白さが感じられなかった。
    ツイッターが互いのフォローによって思わぬ方向に展開し、混乱や誤解が生まれていくというなら面白かったのだが。
    むしろ、ツイッターが枷になって、いつものテンポが殺がれた感が私には強かった。前回受賞したグリーンフェスタに再び参加するという次回作に期待したい。

    ネタバレBOX

    ツイッターをやっている3人の人物、残業中の会社員・野村(笠野哲平)、合コンに参加するOLよしえ(水澤恵美)、結婚式を挙げるため、東北のスパリゾートに来ている亀井(AKKY)。それぞれがつぶやき、3人の状況が説明されていく。野村は恋人とデートしたいが、契約社員の西川(日暮丈二)のいい加減な勤務態度により、なかなか帰れない。よしえは内向的で根暗な性格のため、合コンでうまく自己表現できない。亀井はツイッターのつぶやきだけ聞いているとハワイにいるように感じるが、実は東北のスパリゾートで、婚約者(泉粧子)は機嫌を損ねてしまう。
    3つの状況が同時進行するが、なまじツイッターという材料があるため、観客は同じつぶやきを何度も聞かされることになり、くどく感じてしまう。よしえと亀井がつぶやき、野村が2人をフォローする一方で、相互に何の交流も生まれない。時差の面白さがあるわけでもない。
    特によしえの暗いつぶやきは聞いているほうが滅入ってしまい、何でこんなに物事を悪く解釈するのかと腹がたってくる。野村の職場は、野村をパシリのようにこき使う西川の態度が度を越しており、ピザを注文しておきながら、平気で帰ろうとするなど理解できない。また、11時を過ぎてるのに別の部署にいる恋人(花岡芙喜子)に「久しぶりにディナー・デートをするから待ってて」と誘うのも無理がある。亀井はツイッター中毒になっていて、婚約者に「結婚かツイッターか」と二者択一を迫られても即答できず、手を縛られても顎でキーを打とうとするわざとらしさ。野村の職場の上司(まつおか晶)が臨月で、たぶんそうなると思ったら案の定、残業中に産気づく。「ツイッターは夢の現れ」と亀井を理解した婚約者が「結婚したら亀井静香になってしまう!」とわめくオチも当然過ぎて笑えない。交際している時点で相手の苗字は知っているだろうに。
    ピザ屋のバイト(大塚ノヴヲ)がバイクを運転しながらツイッターをやっていてしょっちゅうぶつかりそうになり「ツイッター、バイク危ねぇ!」と叫ぶのも交通ルール違反で感心しない。
    よしえの友人、河合(猿渡亮太)、ホテル従業員(安藤洋介)、亀井の伯母、やーちゃんおばちゃん(ヒロココバヤシ)が面白かった。猿渡は2役で、冒頭、ピザ屋の先輩で出てくるが、帽子で顔を隠しているものの、印象のある人だけに、最初のうち、河合と同一人物なのか思ってしまった。配役に配慮がほしい。
    会話のテンポがよい劇団だけにそれなりに楽しめるが、コメディーとしてはいまひとつの出来。

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    2010/07/21 11:03

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