「霞葬(かすみそう)」公演終了しました。 公演情報 劇団印象-indian elephant-「「霞葬(かすみそう)」公演終了しました。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    思い出という宝物
    登場するキャストの人数と物語が吉祥寺シアターでは広すぎたように思う。舞台に空間が目立った為だろうか、美術そのものにも何となく、あっさりしていたように思う。これで舞台のキャパが狭ければ霞がかったさまや、雲の演出をドライアイスか霧で演出できたはずだ。惜しい。べク・ソヌの演技力は際立っていた。更にイワナガ役の龍田和美が飛ぶシーンは周りの風のささやきも聞こえてきそうなほどの演技で美しかった。鷹かと感じたほど。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    世界を見守る神々と人間のお話。ある日イワナガは一人の人間の赤ちゃんを拾う。「人間を飼っていると変になる」という理由から神が人間を育てることは禁じられていたが、さだまさし似の裁判長の「経過を報告するなら宜しい。」との判断で飼うことになる。これがミカだ。

    ミカはすくすくと育ちながらもいつしか母と自分の違いに気づいていく。いつまでも年をとらない若々しい神々。一方で確実に年齢を重ねていき死を迎えるミカ。つまり神時間と人間時間の経過の差には大きな隔たりがあり、神は20年前のことを「さっき」といい、ミカは「ずっと昔」という。

    そんな中、神々は人間が眠るという行為を羨ましく思う。神は眠る必要がないからだ。「神が人間を飼うと人間になりたくなる」という感情も露呈させながらミカを媒体に人間の一生を淡々と綴っていく。この演出は意外に説得力のある場面だと思う。人の一生はなんて短くて儚いものだ、という戒めにもなり、自分の人生を改めて見つめるきっかけになるからだ。人生が何年あるかは人それぞれだが、人によって生きられる長さが違うということはこの世の大きな不条理だ。

    だからワタクシ達はいつも自分自身が好きでいられるように生きなければならないのだ、とも思う。

    こうしてミカは99歳で静かに眠るように人生を全うしたのだが、ミカにとって神々に育てられたという現実はきっと不幸だったに違いない。ミカが神々に残してやったものは、思い出という宝物だ。

    序盤、撒かれた伏線をきっちりと終盤で回収し美しいながらも道徳的な物語だったと思う。観終わった後に色々考えさせられた舞台。ちゃんと生きてるか?と問われたら、解らない。。


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    2010/07/18 16:50

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