映像鑑賞
満足度★★★★
感想が未記入だった。こちらは配信で鑑賞。ほぼ正面からの撮影で寄りの距離は切り替えているが凡そ劇場観劇している見え方に近い。俳優の顔も小劇場のように間近でまじまじと見る瞬間はないが、音声がしっかり録れているので支障ない。
なので「劇場で観たっけ?」と記憶が混濁しそうになる。
さてお話はこの作家がシリーズ的に執筆しているらしい農村を舞台にした物語。都会から勉強だか実習だかでやってきた若い女性の働き手が場を明るくしている「時期」を切り取った舞台になっている。これがデフォルトで実際には「お寒い」農村事情を覗かせるという事ではなく、農業に勤しむそれぞれの世代の若者たちの現在進行形を描く。無論ドラマには葛藤と対立があり、舞台となる農家の居間で説教臭くなく自説を語っている相手、その若い彼女のつぶらな瞳を媒介に「あるべき農業」のイメージを膨らませた観客は、青年グループのリーダー的存在が「厳しい現実に対応する道として」その逆を行こうとするのがフラストレーション。やがて終盤に至りその対立は超克され大団円に向かうが・・舞台で語られる素朴にそうだな、と思える言葉が、あっさりと、バッサリと両断される今の日本が(そこには描かれていないが)思われる。これだけでは足りない、もっと言葉をもって跳ね返さなければ・・・と、大団円に悦ぶ一方で脳の片隅でもう一人の自分がぐずっている。