境界 公演情報 劇団夢現舎「境界」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ベシミル! 華5つ☆ 
     板上中央奥に屏風状に一双張られた造作のみ。他に舞台美術はない。出捌けは四隅に幕を用いて袖を作り実に合理的に空間を最大限に活かして用いている。数多くの小品をオムニバス形式で演じてゆくがそれぞれの作品に独立性が高く、上演の順も上手く構成されていて全く飽きず各作品を堪能できる。脚本、演出、演技、作品に向き合う姿勢、観客への態度も頗る良い。(追記1.13 )

    ネタバレBOX

     演じられた作品群は以下の11作品。上演順に先ずタイトルを挙げておこう。
    1:『笑顔・・・』
    2:『告解・・・』
    3:『鏡・・・』
    4:『風』と『ちさこ』と『バスタブ』と・・・
    5:『消防民営化・・・』
    6:『妻は出て行った・・・』
    7:『忠告・・・』
    8:『レストラン・・・』
    9・『壺・・・』
    10:『国境・・・』
    11:『井戸の茶碗・・・』
     各脚本は劇団オリジナルのようだが、古典落語などをベースにしている作品も在る。また各作品で描かれた状況や場面を「境界」と取るか否かは観客の知・イマジネーション・判断に因る。また境界という言葉そのものが厳密には或る領域と別の領域との間を指す単語である為例えそれが線分に過ぎないとしても一種の曖昧性を宿命づけられていると考えられよう。その表現が、タイトルに三点リーダーで示されてもいる。
     各挿話色とりどりで飽きさせないことは既に書いたが新年ということもあり、新たな年に絡めたシーンが番外に締めとして行われる粋もあり、様々な擽りや人情、深い哲学的問題等を描いた作品もある。この尺でこれだけ多くの人生模様をこれだけ掘り下げた公演には滅多にお目に掛かれる訳では無いことも付言しておきたい。


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    2024/01/12 11:51

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