東京・坊っちゃん 公演情報 東京ギンガ堂「東京・坊っちゃん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「ねこになった漱石」の続編
    物語は漱石がロンドンで神経衰弱になった場面から。
    芝居が始まるまでいつものようにキャストらがパンフを売ったり、観客と会話しながら会場を温めておく。その姿勢は長い間、変らず素晴らしい。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    「坊ちゃん」を読んだことのある方が観れば、「ああ、そうそう、あのシーン」なんつって思い出し、なんとなく懐かしいような雰囲気にさせられる。漱石の小説を脚本化し舞台化したものは数多いが、中でも「坊ちゃん」と「吾輩は猫である」はミュージカルが良く似合うと、ワタクシは個人的に思っている。

    今回も音楽劇に相応しい題材で、ピアノ演奏が序盤から終盤までコミカルにテンポ良く入り、楽しい舞台だった。女性の意識変革の激しい時代の情景や正岡子規、菅野すがこ、石川啄木などのエピソードを絡め、ほぼ本の内容を忠実に再現したような格好だったが、夏目らがベースボールで遊ぶシーンは夏休みがずっと終わらないことを願う少年らの風景を空想して、微笑ましかった。

    更に舞台のバックを開放すると公園の樹木やその後ろに控えたビルの隙間が夏の夜空に浮かび上がり、これまた美しい光景だった。そんな風景をさえぎるように菅野がママ母から受けた心の傷がその後の菅野の生き方に大きく影響した行は「100年後にまた会おう!」と散った菅野の愛おしく切ない瞬間だった。

    小説の中の「坊っちゃん」は権力に負けたが、ここでの菅野は権力に屈せず命を投げ出した場面はむしろ、漱石が主役ではなく菅野が主役だった。

    全体的に見ごたえはあったが、もうすこ~し上演時間を削れる場面もあったと思うがいかがでしょうか?

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    2010/07/16 15:28

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