6人の悩める観客 公演情報 壱劇屋「6人の悩める観客」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    自分の今居る場所(劇場)・観ているもの(演劇)・自分自身の目や思考への懐疑を誘われる……あらゆるエンタメ作品でも「物語というもの」「メタ視点を考慮した構造」要素があふれるようになってきた中、演劇を知らない人にも・まだそういうメタい要素を知らない人にも・すでに知っている人にも、ゾクゾクとされる作品だと思います。
    小難しさとばかばかしさのようなファニーさの入り混じり具合が絶妙で、面白がっているうちにドキッとさせられるし、奇妙な関係性に取り込まれているし、でも最終的に客感覚は大事に守られているような観了感もあってバランス感が素晴らしいなと思います。
    小劇場とはいえ各所アングラみをそこまで出しているわけではなく、あらゆる配慮で気遣いいただくホスピタリティを感じることが多くなってきたところに、アングラとまでは言わないまでもスパイス強めの作品を(コントロールきかせつつも)よくぞその味をきかせたままやりきったなあ…!とも思います。

    再(々)演なので、前回の大熊さんの立ち位置も非常に魅力的だったのですが、行澤さんをあそこに持ってきたのも、「シェイクスピア」にしたのも、説得力が増していたように思います。
    パフォーマンスも整理されており、そのシーンとしての意味が各ムーブにおいて強まっていたようにも感じられました。
    前演の守るべきところは守り、今の時代と今のキャストに合わせて変えるところはがっつり変え、印象を保ちながらも磨き上げる手腕とそれを実行できる座組素晴らしいなと思います。

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    2024/01/09 12:18

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