Wannabe 公演情報 柿喰う客「Wannabe」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    全然仲間だし。
    一見して安直なようにも見える振る舞いやなにげない表層的な台詞の裏側に『わたしたち』の外的要因の差異が端的に浮き彫りにされていくようでハッとさせられた。
    物語は共生をテーマにしているが、説教臭さは皆無であり難しいことは何ひとつないので、気軽な気持ちで観られるのが良い。全公演、本編終了後にアフタートークがあるのも嬉しい。

    ネタバレBOX

    超金持ちなイタリア人がアジア人に無償で貸し出しているドミトリーの共有スペースでの一幕。舞台はL字型のソファに小さなテーブルに椅子が置かれているだけというとてもシンプルな作り。

    寿司屋で働くトモダチのエイちゃん(須貝 英)がお店のお客で来て好きになった韓国人の女の子、ゲ二(チョン・ユンギュン)に告白する機会をつくってあげるために、ドームヘッド(七味 まゆ味)の留守中を見計らい、ドミトリーの共有スペースで『ホーム・パーティー』をはじめる矢先、コロらと先にここで本を読んでいたセミ(イ・ウンセム)による『陣地』を巡るちょっとしたトラブル。

    事情を説明し立ち退きをお願いすると「私にはお構いなく。」とセミに返された皆の衆は、僕たち私たちはものすごく騒ぐよ!などと理由をつけるが、ネゴシエーションは上手くいかない。そしてエクスキューズのないパーティーピーポーらはいつしか酒を調達しにイソイソと出かけていく・・・。

    会話は基本的に英語で交されるのだが、苛立ったメンバーのひとりが「てか、盛り下がるし。」と日本語でポツリと呟いたあの一言は、本音と建前を使い分ける我が民族の悪いところがダイレクトに出たばかりか戦前、朝鮮半島を支配した悲しい歴史の一端が見え隠れするようでかなりパンチが利いていた。

    後半はこれまでの内輪ノリ的な雰囲気とはトーンが一味変わって、ゲ二に韓国語で告白するために例文集を読み返し暗唱するピュアネスなエイちゃんの姿と、超常現象を同居させる手腕が面白かった。

    今回予備知識なく観に行ったのだけれども、物語の舞台がアジアから遠く離れた"ガイコク"だったとは劇中、全然気がつかなかった。登場人物らが幽霊だった、ってことも。
    役者陣は皆、本名orニックネームで登場する。『素』であることを意識していたのかな。
    それから日本以外のキャストの方々の演技を普段観る機会があまりないのでとても新鮮だった。ひとつひとつの小さな仕草がとてもきれいで鮮明に記憶に残る。

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    2010/07/12 23:25

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  • みささま

    コメントありがとうございます!

    『皆の衆』と書いたのは、集団でつるんでいる様や、リズミカルな言語感覚が
    粋な江戸っ子っぽさを感じたからでした。
    こんなにも些細な言葉に注目して頂いて嬉しくおもいます!

    >ちなみに登場人物らが幽霊だった、ってことの説明ってありました?

    舞台挨拶の直前の暗転時にバタバタと足音が聞こえた瞬間にひょっとして・・・。
    と勘づいた程度なので、確実にそうだったとは言い切れないのですが、
    当方はエイちゃんの韓国語例文集がユリカに隠された辺りから
    幽霊と幽霊じゃないひとに分けて観ていました。
    登場人物ら(全員)では語弊がありましたね。紛らわしい書き方をしてしまって
    申し訳ありませんでした。


    >ってことは・・・イタリア館は幽霊屋敷って設定なのでしょうか?

    アジアから遠く離れた"ガイコク"だとすると辻褄が合いそうな気がしますよね。
    ・・・コレ、アフタートークで質問すればよかったです!涙


    >なんでも中屋敷くんのおっしゃるには少しずつ演出も物語も変えていく。って言うのよ。
    そしたら、どんな風に変るのか観たいじゃない?

    えーそうだったんですか!それは知らなかったです。
    もう一回観たいなぁ・・・。
    時間とお金と相談してみます!!

    2010/07/13 23:53

    >セミに返された皆の衆は、

    流石に上手い。ここで皆の衆という単語が登場するとは思いもよらなかった!笑
    ちなみに登場人物らが幽霊だった、ってことの説明ってありました?
    ワタクシは全く気が付かなかった。
    ってことは・・・イタリア館は幽霊屋敷って設定なのでしょうか?

    もう一回、観たいなぁ。なんでも中屋敷くんのおっしゃるには少しずつ演出も物語も変えていく。って言うのよ。そしたら、どんな風に変るのか観たいじゃない?

    2010/07/13 00:24

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