8割世界番外公演『欲の整理術』×『ガハハで顎を痛めた日』 公演情報 8割世界【19日20日、愛媛公演!!】「8割世界番外公演『欲の整理術』×『ガハハで顎を痛めた日』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    次の本公演が楽しみ
    8割世界、今回初見です。ガレキの太鼓という劇団も未見なので今回の番外公演はとても楽しみにしていました。
    「欲の整理術」と「ガハハで顎を痛めた日」、面白い題名だと思いますが、観終わってどちらも題名と内容が結びつかない感じで、番外公演としてのキャッチに目立つタイトルにしたのかなと想像せざるをえない。
    今回、ついに本チラシを手に入れる機会がなかったのですが、当日、劇団にももう在庫が残っていないということで残念。で、どうして鶏の絵だったんでしょう。
    何か意味があるんでしょうか?具体的感想はネタバレで。

    ネタバレBOX

    「欲の整理術」

    開演前、並んだパイプ椅子の真ん中の椅子の背に豚のぬいぐるみがくっついていて、そこのスポットライトが当たっている。この演出が好きです。小道具に役割の名前を書いた紙がつけられて行くが、豚のぬいぐるみに「豚」と書いた紙がつけられたのは「わかるのに何で?」と思った。このぬいぐるみは「豚の役」として活躍はしなかったので。火炎瓶はなかなか面白かった。1回だけ効果音も照明も付かなかった火炎瓶投下があったが、不発という設定だったのだろうか。
    演出がどうかという以前にあまり脚本の内容が面白いと思えなかった。豚が人間を支配するという設定は面白いが、オリンピック参加のくだりの会話が退屈だったので。「スピードスケートに参加することに決めた」ときのリーダー(小林守)のスケートの振りが面白かったけど。全体の衣装がもうちょっと何とかならなかったのかと思う。リーダーだけ、赤のハッピの丈が長く、暴走族みたいだが、他のメンバーはスーパーの大売出しのときの店員みたいで、革命家という雰囲気が伝わってこない。
    「豚族(?)」の声が昔の機動隊の呼びかけみたいで、あまり「異形のもの」っぽさがない。しかし、「死んでもかまわないと思ってる」だの「ダンコン(断固)として」を抑揚なく頑固に繰り返すところが、人間とは違う融通性のない不気味さを表現しているようで面白かった。小林守のリーダーが、コミカルな役を演じるときの故・緒形拳のような軽妙さを感じさせ、印象に残った。

    「ガハハで顎を痛めた日」

    教師役、女子生徒役、それぞれ俳優さんに自然な実在感があり楽しめた。教師と女生徒は場面として交わるものではなく、別の世界の話なのだが、教師が話しているとき、女子生徒がそばに来ていかにも話を聞いているような表情をする演出が面白かった。
    ただ、冒頭と途中に教師の中で生徒役を演じる人たちが客席に向かって背を向けて話すシミュレーションの場面があるが、この劇に限らず、これが私は気になる。最近の若い演出家は、会議の場面など、客席に俳優がお尻を向けるということをあまり気にしないようだが、昔から日本の芝居では、必然性のある場合でも俳優は極力きもち体を斜めにして観客にお尻をみせないように演じることが不文律として守られていた。それほど、観客にお尻を見せるのは無作法だと気にしたもので、古いかもしれないが良き風習だと私などは思っている。そこが映画とは違う舞台の約束事だった。そういう習慣は抜きにしても、今回、生徒役が背を向けてしまうのは表情が見えず不都合だと思った。
    また、今回、この作品は日によって一部配役が異なるためか配役表が載っていない。HPで確認せずに観たが、今回は必ずしもローテーションを決めて配役を替えていたのではないのだろうか。「演出の都合上、ステージによって配役を変更いたします」という文章の意味もつかめない。劇団によっては親切に俳優の写真や似顔絵をプログラムに載せているところもあるけれど、私のような初見の客は劇団員の顔と名前も一致していないし、今回、客演俳優も自分は初めて見る人ばかりだったので、プログラム表記に何らかの配慮がほしかった。番外公演は、よく小劇場芝居を観ている人や劇団のなじみ客を対象と考えているのか、配役情報を重視していないのかわからないが。
    また、アンケートの感想欄が用紙に比して狭く、これも感想を書く人が少ない傾向の劇団に多いようだ(ちなみに感想をたくさん書くわが家では感想スペースが狭いと不評だ。自然、裏を使ってぎっしり書くはめになる)。もう少し広く取っていただけるとありがたい。あまり部外者のことを想定していないのかもしれないが。
    番外公演に、既成作品でなく、他劇団の作家の書き下ろし作品を選んだ意欲を高く買いたい。もちろん、今後既成の名作も観てみたいと思う。
    次の本公演も観てみたい劇団です。



    10

    2010/07/11 08:46

    0

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  • ちさえ様

    コメントありがとうございます。私の観た日は、ちさえさんは、たしか女子学生の役でご出演でした。
    お写真でしか存じ上げず、勝手にお声の高いかたを想像していましたが、意外に低かったです(笑)。大人の役ではどんな感じのかたか気になります。本公演では三姉妹の1人で出られるのかしら。いまから楽しみです。お稽古がんばってください。

    2010/07/15 00:01

    きゃる様
    ご来場いただき、本当にありがとうございました!!
    もうすでにたくさんの方々とコメントを交換されているので、気後れしてしまいましたが、丁寧なご感想にお礼差し上げたくコメントさせていただきました◎
    制作面へのあたたかなご指摘、ありがとうございます。そして8割世界看板俳優・小林守と緒方拳をかさね合わせてくださるという賛辞・・・!我がことのように嬉しいです◎
    8割世界の公演を「次も観てみたい」とのお言葉、本当に励みになります!
    ご期待に応えられるよう、今後も精一杯取り組んでまいります☆☆☆

    2010/07/14 16:43

    鈴木雄太さま

    今回、助かったのは、初めて行く劇場で不安だったのですが、劇場前にスタッフが立っておられたことです。入り口が奥まっているだけに(地図帳2冊も持参。夫がだれでも行き着くわかりやすい場所と言ってたけど、消防署まで来た時、まだ見えないってちょっと不安になって 笑)。

    >そしてそして!小林守は8割世界の劇団員です!
    まさか緒方拳サンと被らせて頂けて本当にビックリです!ネットをほとんど見ない小林守に代わり御礼申し上げます!(笑)

    あ、劇団員のかたでしたか。よかった(笑)。「何言ってるの、この人!」と思われなくて。ご本人にもぜひここでの感想をお伝えください。では、次の小林さんの役に期待します。ところで、鈴木さんは俳優としてもお出になるかたなのでしょうか。高宮尚貴さんは挨拶で登場されたけど、ブログの写真よりも実物のほうがカッコよかったですね。V6の岡田準一みたいで(笑)。8割世界のことはよく知らないのですが、tetorapackさんが女優専科みたいなので、自分は男優さんに注目してみよーかと(笑)。

    2010/07/13 09:28

    皆様、数々のご意見ありがとうございます!8割世界主宰の鈴木雄太です。

    今回の番外公演は制作の吉岡が初の一人チーフでもありまして、そういった面でも不手際がまだあったかと思います。個人的には「話にならない」ほど引っ掛かる部分ではなく、「こうして欲しかったな」という、皆様が8割世界に上を見て頂いている意見だと勝手に解釈しております(笑)デビュー戦だった制作・吉岡の今後にも期待してやって下さい。

    チラシは出来るだけ受付に置くようにはしますね。僕もお客として劇場に行った場合、欲しいと感じるところがありますので。それでも無くなってしまったらごめんなさい!ただ次はポケットスクエアなので、万が一受付分がきれても劇場置きチラのラックには入っていると思います!でも出来ればやはりチラシなので、受付にどうとっておくかより、どうやって公演前にお手元に届くかを考えてがんばりたいですね(笑)

    そしてそして!小林守は8割世界の劇団員です!
    まさか緒方拳サンと被らせて頂けて本当にビックリです!ネットをほとんど見ない小林守に代わり御礼申し上げます!(笑)

    本公演、きゃる様にもゼヒ楽しんで頂けるといいなぁ…。

    2010/07/13 08:26

    KAEさま

    チラシの在庫の件では自分で書いたことながら、鈴木さんにもKAEさんにもお気を遣わせてしまったようで何か申し訳ないです(笑)。公演中にチラシが切れてしまうことはほかでもままあることなので、残念とは思いますが、不可抗力なので本当にお気になさらずに。
    私はガレキの太鼓という劇団を観たことがないので、「欲の整理術」については不満もあるものの、舘そらみさんについては今回で評価を決めたくないと思っています。確かに今回の30分ものはあまり適当な作品とは思えず、舘さんの作風を知らない自分にとっては理解しがたい部分もありましたが、そのことによってかえって「ガレキ~」への興味も沸き、これも番外公演の妙味かなとプラスに解釈することにしています。番外としては成功と判断し、僭越ながら☆4つつけさせていただきました。
    「観たい!」に書いたように、不思議と自分は番外公演から入ることも多い「変わり者」のようですが(笑)、番外って大抵はけっこう楽しめる企画なんですね。
    それと、コメディーの俳優さんをシリアスものから観てみる、というのも面白いかなーと思って。
    ネタバレにも書きましたが、小林守さんを見て、演技の間とかが、本当に緒形拳さんみたいで、勝手にホロッときちゃった。私は別段緒形ファンというわけではありませんが、こういう演技質の俳優さんがいるのかと思うと、8割世界、楽しみです・・・って、小林さんは客演ではなくて、8割世界のかたなんですよね?確認しとかないと(笑)。ちがってたらごめんなさい。
    8割世界のコメディーが自分好みかどうかはわかりませんが、本公演を観にいきたいと思っています。

    2010/07/13 05:36

    きゃる様

    私も、「ガハハ~」の方、当パンに、名前がないのは何故かしらとずっと気になっていました。
    きゃるさんのおっしゃるように、せめて、役名だけの羅列だけでもあるとわかりやすかったですよね。
    まさか、演出上の理由からとは予想だにしませんでした。

    また、当日、受付に、数枚のチラシもないのは、とても残念ですよね。
    私も、観劇した芝居のチラシは必ず、ファイルして整理しているので、劇場折込で手に入らなかった芝居のチラシが、当日も手に入らないとかなりがっかりします。

    たまたま観に来たタイプのお客さんはそれ程拘らないのかもしれませんが、きゃるさんや、tetorapack1さんや、私のように、頻繁に芝居を観る者にとっては、観劇した芝居のチラシって結構必須アイテムだし、当パンでの出演者情報も大事ですよね。
    せっかく気になった役者さんがいても、お名前がわからなければ、次の作品を、観に行くこともできませんしね。

    せっかく、芝居そのものは良かったとしても、そういうプラスアルファーが充実しているといないでは、終演後の充足感が全く違うものですよね。

    傘の番号札の件も併せ、今後は更に目配りの利いた対処をして頂けたらなと、切に思います。

    それでも、☆4つつけて評価して下さって、8割世界を愛する者の1人として、大変嬉しく存じます。

    これからも、どんどん、忌憚のない御意見をよろしくお願い致します。

    キャストもスタッフも、お客さんも、三位一体楽しめる舞台が、間違いなく、最高ですものね。

    2010/07/13 03:59

    鈴木雄太様

    こんにちは。コメントどうもありがとうございます。

    >パンフに載せない事にこちらの狙いもちょこまかとあったりしたのですが、

    ええ、たぶん何か演出上の意図があったのかなーと推察しておりました。劇団としてけっして配役表を無視してるわけじゃないことも理解できます。「欲の整理術」のほうは載せてるわけですものね。
    当方初見で鈴木さんの演出スタイルをよく知らない者にとっては「演出の都合上、ステージによって配役を変更いたします」という意味をどう捉えていいか、よくわからなくて。ごめんなさい。で、今回はA班B班のように配役ローテーションが前もって決まってるわけではなくて、当日に替えたりもしたんでしょうか?当日決定なら配役表を載せるのは不可能ですものね。あるいは、配役のシャッフル方法が単純にA班B班と分けられない複雑なケースとか?
    まあ、いずれにせよ、あえて公表しないスタイルを選ばれたようなので、配役を説明しながら書くまでもないかな、と控えました。配役照合するのは配役表のある公演でも結構面倒くさいので(笑)。配役表載せなくてもいいですが、それならせめて役名のみの羅列だけでもあってよかったかも。耳が悪いのか「タカクワ」か「タカクラ」か聞き取れなくて迷いました。俳優の顔写真も。俳優の顔写真は本チラシのほうに載ってましたら、それでいいと思うのですが。本チラシ見てないのですみません。
    それから、本チラシを今回入手できなかったことは気にしないでください。よくあることですから。
    ただ、受付にも在庫がない劇団は珍しいですね。相当数配って、なくなっちゃったんですね、きっと。

    番外公演はレベル的にとてもよかったですよ。本公演は家族も誘いたいと思っています。

    2010/07/12 14:07

    きゃる様

    ご来場&「観てきた!」コメント、まことにありがとうございます!

    まずはキャスト表のお話からですみません…パンフに載せない事にこちらの狙いもちょこまかとあったりしたのですが、そこに固執し過ぎるよりも知りたいと言って頂けるお客様の要望を無視したくありませんでしたので、細かい事は省いてtetorapackさんのコメント欄に書き込みさせて頂きました。
    今後ダブルでのキャスティングをする事はしばらくないとは思いますが、今回みなさまから頂いた声とそこからの自分の中での発見をキチンと踏まえていきたいと思います!

    本チラシ、お手元にはいきませんでしたか…残念。
    なんだろ?折り込み先がすれ違ってしまいましたかね…?
    もしも「ここに置いてあると手にとりやすい劇場」みたいなトコロがありましたらお教え下さい!

    何より「本公演が楽しみ」と言って頂き嬉しいです!
    メイッパイ楽しんで頂けるコメディを目指して作りますので、ゼヒとも10月、今度は中野にお越し下さい!

    丁寧なご感想、まことにありがとうございました!

    2010/07/12 12:10

    tetorapackさま

    「欲の整理術」のタイトル。「欲」はわかるけど、「整理術」というのはよくわからなかった。「整理術」シリーズ本がベストセラーになったからキャッチに使ったのかなという解釈しかできませんでしたね。豚が人間社会を牛耳るという発想はすごく面白いと思いましたよ。30分ものに作家が何でこの作品を書いたのかな、と。30分ものとしては、面白い長編のダイジェストにもサワリにもなっていない、インパクトがない感じでした。「猿の惑星」のパロディとしても楽しめないし。オリンピックの話が面白くないコントみたいで。しいて挙げるなら、自分はあの硬直的な「呼びかけ」が豚の限界を表してるようで一番面白かったですね。そういう意味で、高宮さんの演出は適正だったんじゃないでしょうか。
    春に始まったNHKの朝の情報番組のマスコットが生きた「豚」で、愛称ブーチャン。何で豚なのかって、若い視聴者からすごく注目されたんですよ。このブーチャンが家畜の問題が報道され始めて、何の説明もなく画面から消えたんです。すると、「ブーチャンは口蹄疫?」ってネットで話題になってる。このお芝居を観たとき、すぐにブーチャンのことを連想しましたね。目のつけどころが似てるのかなって。不謹慎かもしれないけど、もしも家畜が口蹄疫を逆手にとって武器にしたらけっこう怖くないですか?SFのウィルス戦争と共通してる。

    >配役表についてはHPにも載っていませんでしたし、私も触れました。そうしたら、早速、主宰の鈴木雄太さんが素早い対応で私の方にアンサーしてくれました。ご参照を。

    ありがとうございます。ブースは拝見してます。私のレビューはいつもなるべく配役を説明しながら書いてるんです。ご存知かと思いますが。配役表があっても役名をあまり呼ばない芝居だと不安なときもあり、すると他の劇団の俳優ブログまで検索して顔写真を確認して間違いがないように書いています。今回それをしなかったのは、日替わりを理由に配役表を載せないのが劇団側の意向のようだったからです。公演の時点では知ってほしいという劇団の意思が感じられないというか。要望があったからと、あとで一個人にアンサーしてくださっても、CoRich知らない観客だっているし、個人のブースまでチェックしてない人もいるでしょう。なんか拍子抜けしちゃいました(苦笑)。

    2010/07/12 10:00

    きゃるさん

    「欲の整理術」のタイトルについては、私はストンと落ちました。人間側の欲求の問題をエスプリを効かせて付けたタイトルかな、って。そう遠くない未来に、現在の家畜の代表である豚が支配階級として人間と対峙する社会を作ってしまったのは結局、人間の欲のなせる業だったのに……なんて感じで(笑)。「ガハハ~」の方は私もタイトルとしてはイマイチ分かりません。

    >演出がどうかという以前にあまり脚本の内容が面白いと思えなかった。

    「欲の整理術」については、私も旗揚げ公演からガレキの太鼓の全作品を観て、舘そらみさんの実力と才能を高く買っている大ファンとして、他の作品と比べると、中庸さを感じました。ただ、脚本自体を読んでいないので、よく分かりませんが、懐は深い、というか、間口が広い、ともいえる本だな、って感じもして、それだけに、これを30分でやるというのは、かなり無理があるな、とも感じた次第です。30分でやるなら、もっと焦点を絞ってスピード感で突き抜けた方がよかったと思っていますが、その一方で、30分などではなく、もっと掘り下げた形で観てみたかった、とも舘ファンとして思っています。

    >教師役、女子生徒役、それぞれ俳優さんに自然な実在感があり楽しめた。教師と女生徒は場面として交わるものではなく、別の世界の話なのだが、教師が話しているとき、女子生徒がそばに来ていかにも話を聞いているような表情をする演出が面白かった。

     これは同感。私はその点を2層構造の演出の妙味としてレビュー致しました。

    >今回、この作品は日によって一部配役が異なるためか配役表が載っていない。HPで確認せずに観たが~

     配役表についてはHPにも載っていませんでしたし、私も触れました。そうしたら、早速、主宰の鈴木雄太さんが素早い対応で私の方にアンサーしてくれました。ご参照を。

    >番外公演に、既成作品でなく、他劇団の作家の書き下ろし作品を選んだ意欲を高く買いたい。

     同感です。とくに、8割世界の本家であるコメディではなく、鋭い切れ味と台詞表現の豊かさが魅力の舘そらみさんをよくぞ選んだ、と拍手を送りたいです。

    2010/07/11 12:23

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