「精跡-SEISEKI-」 公演情報 角角ストロガのフ「「精跡-SEISEKI-」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    個性は強烈だが・・・
    劇団の名前は知っていたものの、どういう作風かまったく知らずに拝見し、想像以上に刺激的で強烈な個性に驚きました。
    内容が内容だけに、観る人を選ぶ作品だなとは思いました。自分にはポツドールの「夢の城」以来のカルチャーショックで、うら若い女性がこういう作品を発表できるって時代も変ったなという感慨を持ちました。
    アフタートークでの角田さんがあっけらかんとした笑顔で、半ば確信犯的に楽しんで作っておられるようにお見受けしました。ポツドールの芝居よりは台詞が多い分、距離を感じなかったのですが、気になる点はありました。

    ネタバレBOX

    少子化問題や社会における障害者の扱いについて描き、決して興味本位でとりあげてるのではなく、作者のそれなりの問題意識を感じました。
    精子バンク企業の話が出てきて、現代でも障害者雇用による企業への補助金等優遇措置はあるわけですが、障害者を積極雇用している企業の障害者の作業環境が問題になった事件もあり、企業利益を追求する中で差別と優遇は紙一重の問題でもあるわけですし。ただ、バンクの職員や障害者を装うひよこ屋の品性の卑しさと露骨な言動が観ていて正直不愉快になりました。一般に障害者を描くに当たっては、どこまで表現するか、演じる俳優も作り手もかなり神経を遣うようですが、作品を観る限り、まったく誤解を恐れず、大胆にやっておられ、賛否が分かれると思います。
    セットはよかったと思いますが、俳優の役名が芸名と同じというのも必然性を感じませんでした。登場人物たちは物語状況説明の役割が強く、内面的に共感できないのも気になります。女性奴隷同士の人間的なつながりも、会話はあるものの描かれ方が中途半端で、途中脱走するAランクの女性奴隷を演じる森山綾乃さんはオスカー所属でモデル出身だけに美貌でナイスバディですが、台詞らしい台詞も少なく、役の人間性が見えてこないので、疑問が残りました。
    妊娠した奴隷が空腹から同僚の両腕を食いちぎり、食われた奴隷のほうもヘラヘラ笑って生きてるのが理解できませんでした。
    牛乳屋がひよこの血を絞るという行動の意味がよくわからず、バンク内の人事異動が頻繁になる終盤はめまぐるしくてよく意味が飲み込めなかった。バンクの職員が不祥事のお詫び会見で手首を切る場面、本来なら血が噴き出すので照明を赤にしそうだが、そうしないのは、血液より「精跡」を表現しているからなのだろうか。
    アフタートークも、せっかく時間をとるなら芸能人の私生活のネタ紹介などではなく、この作品や役柄について角田さんが聞き手になって出演者と話してほしかったですね。「お客様が帰ってから周囲に自慢できる芸能人ネタを」と角田さんが屈託なく笑ってるのにはちょっとがっかりしました。

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    2010/07/11 03:26

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