実演鑑賞
満足度★★★★
去年観て随分考えさせられたので今年も観た。
主演の宮本充氏は三國連太郎、夏八木勲、堀田眞三ライク。
死を前にした現実主義者の『パウロの回心』が描かれる。
①何故、自分はこんな人間になったのか?
②今、まだ自分にやれることはあるのだろうか?
③もう時間はない。
使いっ走りの少年や妹役等の上林未菜美さんが良かった。何か中野亜美っぽさがある。
市川奈央子さんは善良なモブをこなしつつ、スラム街の魔窟での盗品売買では邪悪な掃除婦を怪演。人間の邪悪さ醜悪さをこれでもかと見せ付ける。更にカーテン・コールでの『きよしこの夜』の合唱では美声が唸った。
小道具の七面鳥が良い出来。
第二の聖霊が自分の上着の下に隠れている二人の汚れた子供を紹介する。「男の子が“無知”で、女の子は“貧困”。男の子の額には“破滅”と記されてある。さあこれを否定してみろ!」
スクルージの悲痛な叫び。
「未来は変えられないのか?せめてティムだけでも!」
来年もきっと観に行くだろう。