「精跡-SEISEKI-」 公演情報 角角ストロガのフ「「精跡-SEISEKI-」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    角田ルミのエロリズムワールド
    少子化が進み、政府が出した女性の奴隷制度。その結果、精液がどんな価値観をもたらすことになったかが今回の昇天、いあ、違う。焦点。笑)・・・

    以前も「角角ストロガのフ 」の公演を観た時、脚本家は男性だとばかり思ってた。だってその表現方法といい、モロシモネタといいアニメ的だったから。そのアニメも少年ジャンプではなく、ヤングジャンプのノリ。女性ながらあっぱれ!の粋。

    ・・・・まず、この舞台は感覚で観たほうがいい。だから結果がどうだとか、リアルの勝負だとか、そういう一般常識の世界ではない。それを度外視したファンキーで破壊力のある芝居だ。



    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    国家繁栄法で打ち出した策は女性に子供を生ませること。つまり子供を生むための機械だ。その為には優良な精子が必要だ。更に障害者優遇制度の為、障害者の精子にはポイントが付き、高額で売買される。ここに目をつけた業者は国の施策に乗っかって障害者の精子を取るために女性の奴隷にランクと番号をふり口や手を使って男性の精液を取る手伝いをさせる。

    物語は3人のセックスボランティアとして監禁された3人の女性(奴隷ハウス)、1028号・3333号・2573号。彼女らと精子を管理する精子バンクの職員ら、そこで働くドクターとその家族。牛乳売り。ひよこ屋。これらの描写を舞台の右、左、中央、後方で同時に動かす。だから観ているワタクシの目はあっちにキョロキョロ、こっちにキョロキョロ、セックスのシーンではしばし、凝視なんかしちゃって、ハアハアしながら留まることを知らない。笑

    挙句、障害者の精子が高額で取引されるのを知ったひよこ屋は障害者のふりして奴隷を強姦しちゃうのだから、本人は「ヤリ得」なんてニヤつく。そうして妊娠する奴隷。お腹に子がいるとお腹が空くがまともな食事を貰えない2573号は1028号の善意で彼女の両腕を食べる。その代償にすくすくと育つ胎児。

    一方で知的障害の子を抱えたドクターの家族では妻がかまってもらえないストレスに苦しみ、自ら奴隷に志願する。そしてセックスし放題になり、挙句、子供の知的障害が快方に向かうと今度は教育ママに変貌するという、人間が持ち合わせている底のない欲望をも描写し、また一方で施設での人事配属でも足の引っ張り合いを描写する。

    人間の心理とセックスと人間関係は一心同体のように常に隣りあわせでいつ自分が転落するかなんてわからない。だから、ぐるぐる巡る人事や支配されるもの、支配する者の情景が絶妙で軽快だった。

    好みは割れるかもしれない。だけれどこの物語は実在するものではないし、所詮、芝居は嘘話だ。その嘘話で観客を楽しませる、という面においては成功だったように思う。演出もキャストらも○、強いて言うならオスカープロの森山が自意識過剰な演技力だった。鈴木ハルニは流石の演技力。未だに「劇団コーヒー牛乳改めゲキバカ」との添付があったが、ゲキバカの浸透力がないなら元に戻せば?笑

    世界観はヤンジャン!笑

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    2010/07/08 12:17

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