女ともだち 公演情報 劇団競泳水着「女ともだち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    心の琴線に触れまくりで、終始ウルウル
    前回のミステリーは、全ての謎が解けた時に、それまでの人物描写に、大いなる腑に落ちなさを感じ、劇後感がしっくりしなかったのですが、今回の作品は、競泳水着らしい仕上がりとの評判で、楽しみにしていました。

    もう、これは、完敗です。本当に、観に行って良かった!!
    上野さんが、男性だということが信じられません。
    どうして、こんなに、女の子を活写できるの?

    自分の女子学生時代や、家族、友人の家庭などに、見覚え、聞き覚えのある台詞や、シーンの連続で、最初から最後まで、ずっと、目に涙が溜まったままでした。

    脚本が、実にリアルな女子の生活や心情を表出しているのが、何よりもスゴイことだけれど、これを演じる女優さん達が、また揃いも揃って、皆魅力的!
    衣装も、音楽も、セットも演出も、一切の手抜きがないので、そんなに大事件が起こるわけでもない、この芝居が、ジワジワ胸に染み渡り、全然厭きる暇もありません。
    如何にも、自然な会話の中に、それぞれの、他者に対する、愛や嫉妬や、苛立ちが沸き立つように匂って、何十年も前に女子学生だった私のような観客にさえ、友人との、愛おしい日々が、昨日の記憶のように、蘇り、目頭が熱くなってばかりでした。

    小劇場の精鋭女優さんの揃い踏みで、本当に、同性の私でさえ、大興奮ものでした。皆、とっても、キャラクターと、その人物の成長振りを好演されていましたが、特に、大川さん、梅舟さん、甘粕さんと、誰よりも、歳月を実感させる名演技だった川村さんの好演振りは、長く記憶に残るだろうと思いました。
    皆、すごくチャーミング!!ドキドキしました。

    上野さん、脚本も、演出も、キャスティングも、とにかくテクニシャンで、感嘆します。

    今日から、一気に、競泳水着ファンになったことを告白致します。

    あー、一人で観に来ないで、劇部の40年来の親友4人で観たかったと、とても後悔しています。

    ネタバレBOX

    登場人物の、心の襞が、全員、とても丁寧に書かれているので、誰一人、脇役と言う感じがしません。
    よく考えてみたら、取り立てて、何がどうしたという程の事件が起こるわけでもないのに、構成が巧みなので、観客の興味を次に引っ張り、一度も退屈だと感じる場面がありませんでした。
    特に、笑いを取ることが目的の台詞やシーンはなくても、会場からは、常にクスクス笑いが聞こえました。
    私も、何度も笑いました。きっと、うん、あるあると、思い当たるリアルな人物活写が、自然な笑いを誘発したのでしょう。

    私は、小学校時代から、大人になるまで、親しかった友人と疎遠になった経験は一度もないので、わかりませんが、もしも、そういう存在の友達がいる人なら、この芝居を観た後に、絶対、その昔の友達に連絡してみたくなるのではないでしょうか?
    とにかく、登場人物全員、とても愛おしく感じる芝居でした。

    美月の生徒が妊娠を打ち明けた後、学生の彼は逃げてしまうのかなと心配になりましたが、無事結婚したようで、ほっと一息。
    目立たないけれど、八重子役の甘粕さんも、美月とすみれに抱く複雑な女心を、さり気ない演技で、命あるものにして、凄く魅力的な女優さんと感心しました。

    でも、ダントツ、圧巻なのは、唱世役の川村さん。彼女は、私が今まで観た小劇場の女優さんの中で、最高です。たった2時間弱の芝居の中で、こんなにも、見事に10年の人生模様を表出できる演技力があるなんて、奇跡的だと思いました。私が、彼女と同世代の男子なら、絶対追っかけファンになってしまいます。

    0

    2010/07/06 23:09

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大