クロノスとカイロス 公演情報 FREE(S)「クロノスとカイロス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    時空や次元を超えて人の思いを紡いだヒューマンドラマ。常に寄り添い見守るような 優しいまなざしの母、言葉少なく不愛想 不器用な父、そんな両親の下に生まれた三人姉妹(長女 辛沙奈サン、次女 鈴木沙綾サン、三女 神咲妃奈サン)が、それぞれの性格や立場を表し、抱いている思いと苦悩を吐露するように展開していく。

    「人は何のために生きるのか」といった旨の哲学めいた台詞もあるが、物語は タイトル 説明にある「『時』と『時間』同じ刻を表す言葉『時間』は一瞬一瞬を表し、それが積み重ねられて『時』となり・・・」という内容を準え、答えのようなものが浮き彫りになる。時の積み重ね=生きることによって 初めてそれが分かるのかもしれない。

    家族にとって自分の存在が重荷になっているのでは、と悩む女子高生(三人姉妹の三女)、どうして彼女が苦しんでいるのかが物語の肝。しかし早い段階で、彼女を見守る人、その様子から何となく想像がついてしまうが…。
    (上演時間1時間40分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、やや上手にパンケーキ店 オカリナ、店先に並んだ樽の上に瓶。下手にハナミズキ、所々に生い茂った葉。シーンによって店内にテーブルや椅子を運び入れる。この劇場の特徴、出入り口近くに別場所(公園か?)を設える。

    物語は、三女が高校を卒業してハナミズキに向かって感謝の言葉を言うところから始まる。<感謝>するということは、見えない思いや行為に向かって発する言葉。
    店にたびたび来ては、食べないで帰っていく謎の女。立ち退きの嫌がらせか といった憶測をする常連客や三女以外の家族、一方 立ち退き話を知らされていなかった三女の疎外感が絡んで物語が立ち上がる。

    母は三女が3歳の時、一緒に出かけた店の火事で、自分を庇い死んだ。自分のせいで と自身を責める。しかし 長女は、自分も一緒に出かけており、母は二人の娘を助けるためにといった事実をいう。この火事現場に生きることを見失った中学生がおり、それが謎の女の正体。娘を助けようとしている女性(母)を助けることも出来ず、死のうとしていた自分が助かってしまう。その理不尽というか嫌悪への贖い(あがない)のためオカリナへ来ていた。<生きること>は一瞬一瞬の時の積み重ねであり、相手を思いやること …あまりにキレイ過ぎるような気もするが。

    ちなみにハナミズキの花言葉は「永続性」「私の思いを受けてください」「返礼」らしい。何となく、生きる、自分自身を大切にする、そして相手を思いやる(別エピソードの待ち人や結婚の約束など)に通じるよう。それを 総じて若いキャストが溌剌と演じ、脚本・演出 そして父親役の下出丞一さんが渋く重みをもってまとめている。全体的に重苦しくならずポップな印象の公演、楽しめた。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2023/11/23 13:03

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  • 数ある上演作品から、この作品に足を運んで頂いてありがとうございました。
    たくさんの感想もありがとうございます。

    生きるのに答えは無いかもしれませんが、それでも
    何か探す旅をするのが生きていくいうことかもしれないと、この作品を通して感じて上演しております。
    一つ一つの時がとても大切で大事に、これからも作品を作って参ります。

    ありがとうございました

    2023/11/24 00:48

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