満足度★★
作り手の精神年齢が14歳
宮沢章夫『14歳の国』を今なぜ上演しなければならないか、もちろんそこに意義はあるわけですが、それが観客に伝わる形で再構築されるまでには至っていないように思えます。
原作は既に12年も前の作品で、その背景には神戸連続殺傷事件(酒鬼薔薇聖斗事件)があり、劇中でもそれを暗示する単語がいくつかつぶやかれるのですが、現代の「14歳」を中心としたティーンエイジャーの観客は、事件のことは殆ど覚えていないでしょう。彼らにとってもこの事件が「他人事ではない」と感じ取ってもらうためには、原作戯曲を現代の状況に合わせて、大胆に脚色、加筆する必要があったと思います。そうしなければ、この物語はただの「持ち物検査」の是非を問う程度のものとしか認識されない危険があります。
いえ、大人ですら単純な教育問題を扱った物語としか受け取れていない様子を見ると、残念ながら今回の演出は殆ど失敗していると言わざるを得ません。一見、高い評価を受けているように見えますが、いずれの感想も原作戯曲のごく表層的な部分しか捉えていないのは一目瞭然で、そうならないことを演出は目指すべきであったのに、その視点が決定的に欠けていたことが残念でなりません。
2010/07/08 02:54
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もう書くのやめようかな、みたいなことを書いたおかげで、2ちゃんねるでは一生懸命きちがいだの何だのと私を怒らせて何か書かせようとしていらっしゃいます。けれども、もともと悪口を言われてもたいして腹が立たない性格なので(いや、今後もいくらでも言っていたただいて構わないのですが。2ちゃんねるの匿名性には意義があると思っています)、どうせなら芝居の内容についての反論をしていただいた方がこちらも書く意欲が湧きます。