尺には尺を / 終わりよければすべてよし 公演情報 新国立劇場「尺には尺を / 終わりよければすべてよし」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    「尺には尺を」
    面白かった。「終わりよければ」よりも、大いに弾けた。大満足。なかでも貞淑な修道女見習のイザベラ(ソニン)が抜群だった。死刑判決を受けた兄(浦井健治)に「私が名誉を失うくらいなら、兄さん、潔く死んでください」ととんでもない宣告を平然とやるところがおかしい。ベッドトリックは「終わりよければ」と共通していて、この2作を交互上演する理由が分かった。
    女性たちがスケベな男たちにしっぺ返しをするという仕掛けも似ている。

    公爵代理のアンジェロ(岡本健一)が主役かと最初思ったら、そうではなかった。身を隠して、神父に化ける公爵ヴィンセンシオ(木下浩之)が中心。最終場面、「終わりよければ」同様に、こちらも最後の最後まで老神父の正体を明かさないで、大いにじらす。しかし、老神父が実は公爵だったと、はやがわりよろしく正体を明かすと、見事な大岡裁きで一件落着。これこそ「水戸黄門」の源流だと思った。ただ、アンジェロが厳格な政治をやるだろうとわかっていて、それを陰で傍観するというそもそもの公爵の作戦は、いただけない。

    典獄(立川三貴)の板挟みになりつつ寛大に行動する良心性、酔っぱらいの死刑囚バーナーダイン(吉村直)の庶民性も光った(ちらりとしか出ないけど)。チンピラのルーシオ(宮津侑生)の、遠慮ない公爵への悪口、黙れと言われても最後まで茶々を入れる道化ぶりもよい。女郎屋のおやじのボンビー(小長谷勝彦)のダジャレと身振りを駆使したギャグ尽くしも見事だった

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    2023/10/30 00:35

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