ネバーランド 公演情報 少年社中「ネバーランド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    かつては子供だった大人たち。等身大の少年社中。
    社中はいろんな意味で「いつも同じテーマ」を描いている気がする。
    それがいささか食傷気味で、もうしばらくいいかな、と思っていたのだけど、
    円形ならまだ社中のよさが出ると思ったし、比較的評判がいいので観てきた。

    ネタバレBOX

    私は、少年社中は円形で一番輝く劇団だと思っている。
    それは、ただのハコだとエネルギーが抑圧された感じがしてしまったり、
    客席との温度差が如実に感じられてしまうような気がするからだ。
    円形は、走り回る彼らお得意の「チェイス」が一番生きる。
    客席を良い意味で丸め込める、彼らのホームだと思っている。

    さて、今回の題目はピーターパン。
    正直、チラシは全然好みでない。少年少女のための演劇ならまだしも、
    (またはこれが20代の、若さキラキラ!!みたいな人ばかりの劇団なら、
    まだ許されるかもしれないが)彼らは結成して10年以上経つ、
    30代の役者が主軸の劇団だ。うううう、っと、恥ずかしさてんこ盛りである。
    この、身の丈にあっていない感じがとても不安だった。

    ところが蓋を開けてみればどうだろう。歳をとること、
    大人になることの意味、子供でいたいキモチ、などがテーマにあり、
    彼らは彼らの等身大の役柄(でも子供のキモチを忘れない)キャラクターが
    とても魅力的に描かれていた。無理の無い、いまの少年社中そのままの姿。

    この作品を通して、その向こう側に、早稲田からここまで走ってきた
    劇団としての彼らの今の姿を垣間見、とても豊かな気持ちになった。

    ストーリーの中では、フック船長の「死にたいする恐怖」が見えたとき、
    さすがに涙腺が緩んだ。どんな人間でも死ぬのは怖い。母が恋しい。
    ピーターパンのフックに対する想い(宿敵とて失いたくない存在だということ)
    人にとっての必要な存在とは、大人になる責任と覚悟とは、みたいな感じで
    日常我々がなんとなく見過ごしてきたものを露呈されて心がざわざわした。

    私としては、もう一歩前にきて欲しかった気もして、
    でも、”大人になった彼ら”に焦点を当てれるようになったことに対しては、
    ちょっと今後の少年社中としての展開に期待できるような気もして。
    うん、でも、良かったと思います。

    1

    2010/06/28 14:11

    0

    0

  • 未来路様

    初めまして。レビュー、大変興味深く拝読しました。
    なるほど!
    私は、今回、初見舞台でしたから、手放しで大感動だったのですが、長年ご覧の未来路さんは、また別の見方をなさっていたんですね。
    何となく、わかるような気がします。
    私が一頃夢中になって通っていた、キャラメルボックス、しばらくいいかな?と思ったのと、似通っているかもしれません。

    でも、その未来路さんが、青山円形なら、社中の良さが出ると思われたとのこと。私も、初見ながら、この劇団に青山円形は実に似合っていると思いました。何か、劇場全部を、我が物にしている空気がとても心地良く感じました。
    あんなにあの劇場を上手に使いこなしているのを観たのは、KAKUTA 以来な気がしました。

    私は、好きになったばかりのこの劇団、しばらく追いかけてみようと思っています。

    2010/06/29 01:34

このページのQRコードです。

拡大