ブスとたんこぶ 公演情報 cineman「ブスとたんこぶ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    こんなに泣かせてどーしてくれんのよ!
    ってなくらい号泣しちゃった舞台。芝居が幕引いた時点でのワタクシの顔は、「はれ?いったいどなた?」みたいになっちゃってた。
    親子の情を描いた涙なくして観られない舞台。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    基子とその娘・喜子、そして基子の内縁の夫・渥見の3人は基子の中学生の同級生だった留美の家の屋根裏部屋に引っ越してくる。基子はパチンコ狂で手元にいつも金がない。その上、自由奔放で男に色目を使っては内縁にしていた。22歳の喜子は幼少の頃から、そんな母親に引きずられるように、金が無くなっては夜逃げをする生活を強いられ、気の休まる暇がなかった。更に自分の顔にも自信がない。

    そんな喜子はふしだらでまともに働かない母親を嫌い、同じく頭の螺子が緩そうな、バカな渥見も好きにはなれなかった。そんな底辺の環境も起因してか、喜子は普通の人のようにすらすらとしゃべることが出来ない。そして大嫌いな母親とも話したくない。それで、喜子は紙に言葉を書いて伝達する方法をとっていた。そんな状況下、喜子にとっては生きることは苦しみでしかなかったのだった。

    一方、留美の方にも問題を抱えた家族があった。この二つの家族を絶妙に交差させながら、描写していく。喜子の心理、貧乏でも自分の人生を「悪くないよ。」なんて言いながら、どこまでも明るい基子、そして渥見役のキャラクターの立ち上がりが今回の芝居の見どころといっても過言ではないくらいの見事さ。更に留美が抱えている憂鬱さを余す所なく表現していた。

    渥見が夏樹にほれられて屋根裏を出て行く場面から基子が死んでしまう場面の大きな展開は生きるということ、を考えさせられた。そうして喜子からみたら、母親は自分にとって目の上のたんこぶ以外のなにものでもなかったのだが、母親が死ぬ間際の会話とお互いの思いやりで親子のしこりは氷解される。

    「あんたも子供を生みなさい。そうしたら、女にとって人生は意味のあるものになるからね~。」と言い残して死んだ基子の言葉が素敵だった。基子も喜子も渥見も・・・、すべてのキャラクターを好きになれるはず。
    そんな優しく心に響く舞台。

    悪くないよ。

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    2010/06/27 13:17

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  • シネマンこと鈴木穣>
    コメント、恐れ入ります。
    こちらこそ、毎回、素敵な舞台を拝見させて頂きます機会に恵まれ、嬉しい限りです。
    次回も是非に拝見させて頂きたいと思います。

    またまた素晴らしい脚本と、演出、キャストらに期待しています。
    渥見のキャラクターは素晴らしかった。感無量!

    2010/07/01 12:32

    ご来場ありがとうございました。

    いつもいつも
    丁寧で詳細なコメント、
    本当にありがとうございます。

    とても集中して観ていただいてることが
    伝わりますし、
    演劇そのものへの
    愛情を感じます。

    自分としましても、
    そういう作品作りをしていきたいと
    励みになります。

    今後とも
    どうぞ宜しくお願いします。

    2010/06/30 21:31

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