実演鑑賞
満足度★★
たいへん抽象的な芝居。マクベスを下敷きにしているということを知っているし、天海祐希だからかろうじて見ていられる。天海祐希はりりしく格好いいが、孤軍奮闘という感じ。バンクォー(要潤)はマクベス夫人の幼馴染であるとか、国王ダンカン(栗原英雄)の従姉妹のマグダフ(鈴木保奈美)とか、「マクベス」からはみ出した設定もいろいろ。マクベス夫妻の娘(吉川愛)は、この殺風景な芝居にふく、一陣の春風であり、せめてもの救いだった。
戦争をやめるため「反撃しないことはできないんですか」(マクベス夫人)などなどの願いが、「国も文化も滅び、我々は奴隷になるだろう」(ダンカン)と恐怖と脅しによってはねつけられるなど、現代の戦争に通じるところもある。そこは評価しなければと思う。2時間15分(前半1時間15分、後半45分。休憩15分込み)