実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
観た回は満席、小さい会場に鳴り響く万雷の拍手が、公演の素晴らしさを表している。
劇団創立50周年記念Ⅲ、それを旗揚げ公演「ちょんまげ手まり歌」の5回目の再演で締めくくる。時代劇でありながら現代に通じる人間の愚かさを痛烈に批判した物語。原作は上野瞭 氏の童話で、小見出しがついた いくつかの話(章)で構成されていた と記憶している。
少しネタバレするが、冒頭の歌は、童話の始めに書かれている文で、その歌詞が物語のすべてを語っている。人は<考え>だすと迷い 疑いだす。言われたまま実行していればよい。いたずらに色々なことを知ることは、視野が広がるが それだけ苦悩することも…。
やさしい殿様がいる藩…閉鎖された(封建)時代と情報過多により真偽が見定めにくい現代、時代を越えて、或る<こわさ>を描き出した秀作。その怖さこそが 物語の肝。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし) 追記予定