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或る夜の
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劇団芝居屋かいとうらんま「
或る夜の
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10433)
実演鑑賞
満足度
★★★★
一風、変わった作品だが面白い。(華4つ☆)
ネタバレBOX
物語は某地下鉄駅のホームで展開する。従って舞台美術は地下鉄のホーム。板上には太い円柱が2本少し前後をずらし適度な距離を置いて天井へ向かって伸びており、下手は駅の側壁とみえる。即ちホームの端に当たる場所だ。上手はホーム側に迫り出した部分があるので階段があるのかもしれないが狭くなっている。ホーム上にはやや不規則な市松模様。線路があるのは客席側という設定だ。
最終を待つ人々は原因不明のシステムトラブルに巻き込まれ地下鉄のホームに閉じ込められてしまった。当初帰らなければならない理由だとか、締め切りに間に合わないとか、スマホの送受信が出来ない等様々な不平が聞こえる。そんな乗客たちは、平身低頭の駅員に詰め寄る。何とかならないのか? との切実な思いから。駅員は兎に角、出来ることを全力を尽くしてやる。然し防火シャッターが閉ざされ、緊急時職員の通る非常用出入口も閉ざされ、通信も一切通じない。外界からの受信も出来ないのだ。乗客たちのスマホも総て送受信できないことは先に記した通り。2時迄にバイト先へ到着できなければ仕事を失うと悲痛な叫びを挙げていた若い女性が線路伝いに歩いて脱出すると線路内立ち入りを決行しようとするが、駅員のみならず他の乗客たちも外界の状況が全く不明の折、急に回復して列車が走ってきたら確実に死ぬ、と諭して漸く収めた。この時の対話でバイトを失いそうな女性が反論した際、現代日本の極端な格差を生む雇用形態の差が如実に表れる点もグー。
ところで、今作には不思議なキャラクターが登場する。乗客によってその人物は、高校時代の教師に見えたり、不倫相手であったり、犯罪者仲間であったりと様々に変容するのだが、実際には誰なのか分からない。然も乗り損ねた乗客の中には週間誌の記者とスタッフが居て記者は現在芸能人などのスキャンダルを扱う部署にいるが、本来は社会的な事件を扱う事件記者や社会部が扱うような記事を書きたいと望み普段から気がかりな事件についてはデータを集積していた。そしてこの不思議な人物が凶悪な殺人犯に極めて良く似ているとスタッフにもデータ写真を見せ警戒しだしたのである。
次第にこの話が皆に伝わり結果、不思議な人物と記者は対決することになるが。不思議な人物はある質問を記者にぶつける。それは記者の生き希望していることに対する最も本質的な問いであった。記者は応えることができない。
あとは読者の想像力に任せる。尺は約80分。
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2023/10/09 22:55
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