ヒトラーを画家にする話 公演情報 タカハ劇団「ヒトラーを画家にする話」の観てきた!クチコミとコメント

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    満足度

    ヒトラーが画家になっていればユダヤ人虐殺は起きなかった、それなら、タイムスリップしてウイーンに行き美術学校に合格しなかったヒトラーを上手な絵描きにして画家にしてしまおう。それで世界は救われる、ト現代の画学生三人が、タイムスリップする話である。
    こんなハナシを作者が思いついたのは、今の若者(といっても高羽もまだアラフォーティのはず)があまりにも第二次大戦中のナチの暴走を知らないから、知らせないと、ということで自分も勉強してこの本を書いたという。客席はほとんど、三十歳前後の男女の客で埋まっていて、この劇団としては満席の盛況である。
    満席はめでたいが、戦前生まれで昭和反省の時代を生き抜いたこちらとしては、こんな安易な取り組みで若者に戦争を理解されてもかえって逆効果ではないかと思う。
    600万のユダヤ人の命を救う、ト一口言っただけで話は始まってしまう。タイムスリップした画学生たちも志がまるで見えない。志がないのは良いとしても(よくはないが)それに代わる600万の命に対抗できるようなモノがないと、ただのおふざけになってしまう。ヨーロッパで上演したら、小劇場でも、批判を浴びるに違いない。もちろん遠い日本でやってみるというのも表現の一つとしていいのだが、表現者の責任もある。高羽彩は若い女性たちの本音をうまくすくい上げる作家で、こんな素材には向いていない。ヒトラーが絵を捨てて、得意な演説に向かっていった本音はこれでは誤解されるだけで、まるでうかがえない。それにしても、現代のシーンに出てくる若者たちはみんなこんなにチャラいのだろうか。ドタバタ喜劇にしてもこの設定もちょっと偏見のような気がする。

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    2023/09/30 09:47

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