移動 公演情報 劇団桃唄309「移動」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    意外なことに
    別役作品なのに、物凄く直球ストレートな芝居で、全然不条理っぽくありませんでした。
    電柱はいつもながら出て来ますが、その電柱への思いもストレートに語られ、どこも不可解な部分がないのが、意外でした。
    へえ、別役さんてこういう芝居も書いてたんだ!とビックリしたのが、一番の感想。

    わかりやすいので、逆についウトウトしてしまいましたが、決してつまらないわけではなく、全体的には面白く拝見できました。
    ただ、あまりにも舞台空間にスペースがあって、劇世界に入れ込めない状況があり、残念でした。文学座の「わが町」同様、劇場の使い方にもっと工夫があったらなと思いました。

    もう少し、台詞に緩急をつけるとかしないと、ストーリー自体にも起伏が感じられない気もしました。

    でも、役者さんの演技は、前回の桃唄309の公演より、ずっと馴染み易く、最後まで、好意的に観ることができました。特に、脇役の皆さんが素敵な演技をされていたように思います。

    ネタバレBOX

    何となく、「ゴドーを待ちながら」の舞台を思い出すような雰囲気の舞台でしたが、描かれている世界は、実にわかりやすく、気軽に観られた反面、理解しようと客を前のめりにさせる空気が足りませんでした。
    何となく、気の抜けたビール風な、やや気迫に欠ける舞台でした。
    でも、役者さん達、皆さん、味わいがあり、登場人物に存在感がありました。
    だから、いつもの別役作品に比べて、とても登場人物に親近感を覚えました。

    場転は、暗転にせず、キャストが出てきて小道具やセットを片付けて、皆で電柱を愛着を持って、見上げてから、退場して行くのですが、この皆の電柱見上げる笑顔が、何かほっとさせるものがあり、「サザエさん」でも観ているような錯覚を覚えました。ここは、長谷さんの演出の好きな部分でした。

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    2010/06/18 01:51

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  • tetorapack様

    お隣ではなかったのに、ふと目を覚ますと、もう父は死んでいましたよ、私の時も。(笑)
    観劇した日は違っても、波長は似通っていたようですね。(笑)
    友人が出演している芝居でしたから、それからは必死で、目を凝らして観ていましたが…。
    別役さんの初期の作品のようですから、別役さんにも若い時代があったのだなあと、何だか感慨深い思いがしました。ピカソも、初期には、だれでもわかる絵を描いていたのですものね。
    電柱に対する別役さんの思い入れも理解できた感じでした。

    きゃる様

    この劇団、普段は長谷さんのオリジナル脚本を上演する場合がほとんどなのではと思うのですが、どうやら、私は、あまり性が合わない気がしています。でも、意欲的な劇団だとは思うので、これからも、知人が出演する場合は、観に行くつもりでいます。

    2010/06/19 00:01

    KAEさま

    この公演、観るつもりでしたが日程調整がつかず、断念しました。
    観たら、私はうとうとしたかもしれません。
    かつて別役作品をモチーフに親しみやすい不条理劇を創作している「電信柱」という劇団があり、劇団名はこの作品からきてるのかなと思いました。若い人たちの真摯な劇団で好意をもったのですが、残念ながら活動休止のようです。

    この劇団、次回、観てみたいと思います。

    2010/06/18 14:41

    KAEさん

     レビュー読ませていただきましたが、私もほぼ同様の印象でした。別役戯曲としては「えっ、これが不条理?」と思うような分かりやすさと、出演陣の演技は良かったと思います。演出や構成も悪くはなかったです。

     ただ、このシンプルなテーマ性においては、私としては、やや「緩さ」「くどさ」を感じ、睡魔へと導かれた感じです。ちなみに私は、父が乳母車に乗った段階までは知ってますが、ふと目を覚ますと、もう父は死んでいました(笑)。

    >あまりにも舞台空間にスペースがあって、劇世界に入れ込めない状況があり、残念でした。文学座の「わが町」同様、劇場の使い方にもっと工夫があったらなと思いました。
    >もう少し、台詞に緩急をつけるとかしないと、ストーリー自体にも起伏が感じられない気もしました。

     この下りは、まさに同感。私のレビューも同趣旨で書きました。でも、総じては、私も「馴染み易く、最後まで、好意的に観ることができました。」と同じです。

     この作品については、極めて近しい感想になりましたね。

    2010/06/18 14:23

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