実演鑑賞
満足度★★★★★
あまりに胸がいっぱいに、感動に包まれ終演後しばらく席を立てなかったです
長きに渡って知的障害者雇用を続けてきた企業の物語ではありますが、社会生活を営むうえで、全ての人に共通する大切な考え方がギッシリ詰まった公演であったと強く思いました
できるだけ多くの方々が、可能であれば一緒に働く会社の人達と(学生さんであればクラスメイト達と)観劇して感想を共有することが出来たのなら、かなり貴重な体験になるのではないかと願いにも似た気持ちになりました
TRASHMASTERSさんの公演であるから徹底した取材をもとにリアルな迫力をもって訴えかけてくる作品であろう事は過去の公演で実証済
なので障害者雇用に伴う問題点やその会社の奮闘ぶりを部外者の立ち位置からドキュメンタリー的な観点で堪能するつもりだったのですが、いつの間にか一緒になって解決の糸口を見つけだそうと躍起になっている
登場人物それぞれの想いを噛みしめてはどうすればいいのかと困り果て、どっぷり作中にハマり込んでいました
障害者と健常者、いやそれだけでなく色んな立場の人間が己の利益や尊厳をかけてぶつかり合うのは至って自然な事
現実にはもっと自己中心的な人間(他者の事情を一切気にかけない人間)がいて、ただでさえ難しいコミュニケーションを修復不可能にしてしまう事もあり得るわけで、その方がよりリアルかと一瞬思ったりしましたが、あえてそこまでの配置をしなかったは見事な英断
全ての事には意味がある
とことん他者を理解しようという意義と難しさ
その先に待ち受けている「幸福」がテーマであったと思えました
力強く とことん深い、素晴らしかったです