憂鬱先生 公演情報 てにどう「憂鬱先生」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    苦悩する可愛らしい夏目
    夏目は英語研究のためにロンドンに滞在していた2年間余りの中で4回も下宿先を変えていました。最後の下宿先で、夏目は部屋にこもりきりで研究に没頭します。今まで付き合いのあった留学生仲間とも疎遠になり、下宿屋の女主人からも心配されるほど猛烈な神経衰弱に陥りました。その最後の下宿先でのお話。

    今回の芝居で見られる舞台セット、美術、衣装、ものすっごくセンスが良いです。特に着物の柄とカラーの選び方が素晴らしいです。衣装担当は吉澤奈月。いい仕事をしてました。

    キャストらは全員がしっかりした演技力で総合的に素晴らしい舞台だと思う。

    以下はネタばれBOXにて。。


    ネタバレBOX


    最後の下宿先で夏目は暗い部屋に閉じこもって、もんもんと妄想の世界に入り込んでいた。現実と過去に関わった人たちが錯綜するなか、夏目自身が自分を「情けない、臆病、がっかりする、度胸がない」などと己の勇気のなさを評価する。

    好きな女に自分の想いを告白出来ない情景がとにかく可笑しくて可愛らしい。笑) 夏目の憂鬱な精神状態を表現している物語なのだが、その描写の仕方がコミカルでコメディなのだ。迷亭との会話の問答も、ゆらゆらと笑える。「男たるもの、女性に尊敬されなきゃいけないし、女性から馬鹿にもされなきゃならない。」なんて哲学に自問自答しながらも友人の細君を想い苦悩する。

    それでも、臆病な夏目は「だってそれが僕なんだもの。仕方がない。」と、どーしようもない現状を嘆くのだった。笑

    ワタクシは好みの舞台だった。舞台の中の情景は1900年の時代に誘う力があった。素敵な舞台だと思う。

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    2010/06/12 17:23

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