『SHIBAHAMA』  遂に本日千秋楽!!!当日券出ます!!ぜひぜひおこしください。 公演情報 快快「『SHIBAHAMA』  遂に本日千秋楽!!!当日券出ます!!ぜひぜひおこしください。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    圧倒的な「芝浜」の再構築
    たっぷりすぎるほどの遊び心とともに
    「芝浜」という噺のスピリットが再構築されていく。

    その創意の豊かさと緩急のバランス、
    さらには噺の枠組みからの広がりに
    圧倒されました

    ネタバレBOX

    たとえば、「時そば」とか「時うどん」などという噺、
    橘家円蔵師匠や笑福亭福笑師匠などは
    噺の仕組みをまくらでばらしてしまい、
    噺家としての腕で
    その物語にふくらみを与えて観客を魅了したりする。

    faifaiの「芝浜」にも同様のメソッドで
    噺のコンテンツを今に置き換えて
    見せ切る力がありました。

    冒頭、客入れの部分でランダムに登場する役者たちは
    作り手にとっての東京というか江戸の今を
    劇場全体に醸し出していく。
    当日ゲスト、「ニーハオ」の
    プレパフォーマンスライブなどもあって
    街の高揚感が醸成されていきます。

    そこから、いくつかのパターンで「芝浜」という噺のアウトラインが
    提示されていく。
    会場全体に広がる音と映像と
    役者たちのコントロールされた動きの中で
    したたかに
    「芝浜」のサマライズと物語の構成要素の提示が行われていく。

    その上で「芝浜」のキーとなる各ピースがひとつずつ
    faifaiの表現で語られていくのです。

    毎日「遊んでばかり」の熊、「遊び」の部分が
    観客参加のイベントで演じられていくのが楽しい
    なんとなく仕事をせずに
    だらだらしている感覚が具象化されて・・。

    「大金」の入った財布を拾ったという
    「大金」の感覚・・・、
    今様の「夢」の表現、
    3年間仕事をしたという「仕事」の肌触り、
    faifaiナイズされたそれらの具象化が
    噺の骨格をしなやかに内に隠して
    展開されていく。

    当日ゲストの白神ももこや高須賀千江子のパフォーマンスも、
    どこかゆるくて、
    でもfaifaiの役者たちとコラボした動きには
    ぞくっと引き込まれる切れがあって。
    楽しくて、その中に洗練があって、
    まるで名人上手の噺家の
    したたかなくすぐりを聴くよう。

    フィールドワークのレポートという形で
    熊さんたちの生きた落語の世界と
    今の「江戸」の広がりが縫い合わされて
    その先に噺がもつ普遍性が浮かび上がる。
    落語での地語りのような篠田の言葉で
    個々の要素がふたたび
    21世紀の東京の市井に結びあわされて・・・。

    そこから再び、
    faifai流の表現とぞくっとくる切れで描かれる
    「芝浜」が圧巻。

    役者たちの上下を切った表現が
    鮮やかなグルーブ感を導き出し、
    映像や音とともに
    圧倒的なパワーで
    faifai流「芝浜」が場内に満ちる。

    落語の「さげ」をさらに逆手に取った落ちも
    鮮やかに決まって・・・。
    落語の手法をがっつり取り込んだ
    パフォーマンスの懐の深さにひたすら瞠目。

    まあ、人によって好き嫌いはでるかもしれませんが、
    少なくとも私は、
    しっかりとしたおさまり感とともに
    一席を聴き終えた満足感を味わうことができました。

    ☆☆★★★









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    2010/06/10 07:23

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