テンペスト 公演情報 劇団俳小「テンペスト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    [テンペスト」とは「嵐」の意
    和解をテーマにしたロマン劇。入場するなり、既にキャンセル待ち続出。小劇場でこんなに観客が押し寄せた情景はかつて観たことがない。会場にはパイプ椅子が増設され、桟敷席も作り、更に立ち見まで出る始末。スタッフのアナウンスでは「外に並んでるお客様がまだ20名ほどおります。もしお客様の中で他の日にチェンジしても良い、という方がいらっしゃいましたら、他の方と交換して頂けますか?」なんてお願いする放送あり。そんなこんなでものすっごく良い芝居かも?なんて期待していたが軽く裏切られました。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    ナポリ王アロンゾー、ミラノ大公アントーニオらを乗せた船が大嵐に遭い難破、一行は絶海の孤島に漂着する。その島には12年前に弟アントーニオによって大公の地位を追われ追放されたプロスペローと娘ミランダが魔法と学問を研究して暮らしていた。船を襲った嵐は、12年前の復讐をするために、プロスペローが手下の妖精アリエルに命じて用いた魔法の力によるものだった。

    ここで難破の場面や嵐の音として壮大な音楽の導入があってもよさそうな情景なのに静か。せめてベートーヴェンのピアノソナタ第17番くらいは流してよ。と言いたかった。

    王の一行と離れ離れになったナポリ王子ファーディナンドは、プロスペローの思惑どおりミランダに出会い、2人は一目で恋に落ちる。プロスペローに課された試練を勝ち抜いたファーディナンドはミランダとの結婚を許される。

    ここでのファーディナンドの演技がいまいち。相変わらず音楽の導入はなく静か。更に「テンペスト」の舞台をされるならもうちょっと、それなりのセットが必要だと感じた。セットはグレーの壁のみでまるで収容所のような部屋を連想してしまう。

    一方、更なる出世を目論むアントーニオは王の弟を唆して王殺害を計り、また、島に住む怪獣キャリバンは漂着した賄い方と道化を味方につけプロスペローを殺そうとする。しかし、いずれの計画もアリエルの力によって未遂に終わる。

    序盤から登場の多いアリエルは風の妖精なのだから、衣装はもっと妖精らしいものが良かったとも思う。しかしながら今回のキャストの中では村松が一番の良い表情をしながら、演技は秀逸だった。アリエル(村松)のコミカルな演技力でもってこの芝居は生きたように思う。

    魔法によって錯乱状態となるアロンゾー一行。だが、プロスペローは更なる復讐を思いとどまり、過去の罪を悔い改めさせ、赦すことを決意する。和解する一同。若い二人の婚礼を執り行った後に、ナポリに帰ることになる。

    最後に、魔法の力を捨て、アリエルを自由の身にしたプロスペローは観客に語りかける。自分を島にとどめるのもナポリに帰すのも観客の気持ち次第。どうか拍手によっていましめを解き、自由にしてくれ、と。

    しかし、ワタクシは拍手をしなかった。大抵、納得できない芝居には拍手をしたことがない。逆に素晴らしい舞台を見せてくれたときは感激のあまり涙ぐんで拍手を惜しまないし、満面の笑顔で手から血が出るほど拍手しちゃう。

    つまり、この劇に不満だった理由は「テンペスト」の音楽導入がなかったこと。チャイコフスキーの「幻想序曲」の中の一曲『テンペスト』は必須条件だとも思うし、シェイクスピアを公演するなら、それなりのセットがないと観客はそっちの世界に入りきれないということ。そして肝心の衣装、照明、風のざわめき、それらが一体となってシュエキスピアは完成するのだとも思う。
    舞台は微妙な静けさと独特の間があり、それが全体的に舞台を堕落させていた。

    6

    2010/06/08 18:20

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  • きゃる>
    >あとで聞いたら、満席状態になるとみて急遽、入場方法を変えたそうです。

    そうでしたか・・、急に変更されるのは困ったものですね。

    >こまばアゴラの青年団の公演などは、当日券の客は早く着いても、予約の整理番号順の後、開場時刻近くにならないと入場できないですよね(予約で遅刻した人は別ですが)。それと同じやりかたのところだったのですよ

    ええ、こまばはそうです。まあ、小劇団の場合、当日券を購入される観客は少ないですが・・。
    お気の毒でしたね。

    2010/07/09 12:51

    みささま

    >自由席の場合、入場は早いもの順というほうが多いような気がします。そうでないと観客は予約した客が到着するのを待たなくてはなりません。

    あ、説明が足りずにすみません。特に説明のない自由席なら来た順にどんどん入れちゃってかまわないと思うんですよ。普通、そうですものね。自分の行った公演は、当日券の人は開演5分前、予約した人のあとの入場になるって説明が前もってあったのですよ。だから予約したのです。もちろん開演5分前に来ないと予約は無効になりますが、自分は遅刻ではなく、開場して10分後だから、開演5分前にはまだ15分間あったのですよ。現に、その前の公演はそうしていたので今回も同じだと思ってたんです。あとで聞いたら、満席状態になるとみて急遽、入場方法を変えたそうです。だからほかの予約客も変えると思ってなかったって驚いてました。開場開始時刻に到着しなかったのは事実ですが、当初の説明とは違い、予約客が当日キャンセル待ちの客と同じ扱いになるとは思わなかったのです。こまばアゴラの青年団の公演などは、当日券の客は早く着いても、予約の整理番号順の後、開場時刻近くにならないと入場できないですよね(予約で遅刻した人は別ですが)。それと同じやりかたのところだったのですよ。

    2010/07/08 18:38

    きゃる>
    >)。「予約の順番がそうなだけで、入場は早いもの順なんです」と言われ、愕然。

    自由席の場合、入場は早いもの順というほうが多いような気がします。そうでないと観客は予約した客が到着するのを待たなくてはなりません。

    >みささん、早めに行かれてよかったですね。予約して遅れて行ったら怒るところだったのでは?(笑)

    いいえ、そこまで傲慢ではありません。遅れた自分が悪いのですから。劇団サイドの考えも、「それなら早く来られたら?」ってのが正論でしょう。

    >「もしお客様の中で他の日にチェンジしても良い、という方がいらっしゃいましたら、他の方と交換して頂けますか?」って言われて交換してくれるキトクなひとはいたんでしょうか。

    はい。おりました。いつもお見受けする男性客でした。


    >画面がおもしろかったですね。本のページが物語と共に進んだり、動く植物図鑑みたいになったり。さすが異才・ピーター・グリーナウェイという作品。

    画面がおもしろいと楽しいですよね。ワタクシも好きです。

    2010/07/08 16:33

    みささま

    >人気は人気でも予約客も当日客も来館順に入れてましたから、予約客で公演5分前にお越しになった観客はもう入れない状態でした。ワタクシは予約した上に30分前に入り席も取っておきましたから、助かった。本来なら当日客は開演5分前に入れるべきでした。

    自分もよその劇団でそういう公演に当たったことがあります。すごく早めにチケット予約して購入したのに、会場時間より10分遅れで行ったら「こちらの列に並んでください」って言われて、列の後ろのほうで補助席でした。予約番号も1ケタだったから安心してたんだけど(笑)。「予約の順番がそうなだけで、入場は早いもの順なんです」と言われ、愕然。劇団によって予約客の扱いが違うのはいたしかたがないけど、それならそのようにあらかじめ教えておいてほしいと思いました。予約優先の劇団も多いので。みささん、早めに行かれてよかったですね。予約して遅れて行ったら怒るところだったのでは?(笑)
    しかし、「もしお客様の中で他の日にチェンジしても良い、という方がいらっしゃいましたら、他の方と交換して頂けますか?」って言われて交換してくれるキトクなひとはいたんでしょうか。せっかく交通費かけて時間もあけて来てるんですから、なるべくなら交換したくないですよね(笑)。そういうアナウンスの公演も当たったことないです。すごい人気ですね。


    >飛びだす絵本っていうのもなんとなく可愛らしい・・。笑

    「飛び出す絵本」ってひと昔前って感じですかね(笑)。画面がおもしろかったですね。本のページが物語と共に進んだり、動く植物図鑑みたいになったり。さすが異才・ピーター・グリーナウェイという作品。

    2010/07/07 14:26

    きゃる>
    人気は人気でも予約客も当日客も来館順に入れてましたから、予約客で公演5分前にお越しになった観客はもう入れない状態でした。ワタクシは予約した上に30分前に入り席も取っておきましたから、助かった。本来なら当日客は開演5分前に入れるべきでした。

    >みささまのレビューを読んで、「行かなくて後悔」の気持ちが少し和らいだような(笑)。

    そのお気持ち、解ります。評判が良いのに行けなかった公演はなんか悔しいですもの・・。笑
    衣装は割にあっさりしたもので一枚布を巧みに使っていました。日本神話に登場する神々のような衣装でした。

    >映画版は飛び出す絵本みたいで、いまの3D映画とはまた違った面白さがありました。

    飛びだす絵本っていうのもなんとなく可愛らしい・・。笑

    2010/07/07 12:16

    みささま

    人気公演だったのですね。「テンペスト」は私も好きな演目で、映画や舞台、いくつか観てて、フライヤーで興味を持ったのですが、都合で行けなかったので、レビューを興味深く読ませていただきました。そう、音楽とセットですか。ロイヤル・シェイクスピア劇団みたいにほとんどセットらしいセットなしで上演するところもありますけど、難しいですねぇ。みささまのレビューを読んで、「行かなくて後悔」の気持ちが少し和らいだような(笑)。嵐の前の静けさというけど、「テンペスト」にはやはり音楽はほしいですね。衣装とかはどんな感じだったんでしょうか?
    自分がいままで観た「テンペスト」では、日本物に翻案した文楽のもの(初演)と、ピーター・グリーナウェイの映画版が面白かった。映画版は飛び出す絵本みたいで、いまの3D映画とはまた違った面白さがありました。

    2010/07/07 12:01

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