ザ・キャラクタリスティックス/シンダー・オブ・プロメテウス 公演情報 お布団「ザ・キャラクタリスティックス/シンダー・オブ・プロメテウス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    少し時間が経ってつぶさに思い出せないが、一定の現実性を備えたSF=未来予想図である。ユニークなのは百年近く後の未来から、過去(近未来)へと遡って行く描き方で、サスペンスフルなスタートから私たちにより近い少し先の未来が、現実(現在)の延長として見通せる状況となっている。つまり一種の現代批評である。ちらばめられた批評性に満ちた言辞や事象は「今」に懐疑的な観客に刺さったのではないか。
    俳優の演技も的確で隙がなく(時には笑わせ)重量感があった。

    ネタバレBOX

    上記コメントを書いて更に時間が経ったが、まだ掘り起こせる記憶を今の内に記しておく。
    ぼんやりとした色彩は、墨を落としたような黒が水墨画のような濃淡を示して、舞台正面奥が観客目線では当然「聳える高さ」の実体として感覚され、それは審判者の玉座の高さのように見える(実際にそこに椅子が据えられている訳ではない)。演劇は神事に由来すると言われるのに合致して、ステージ側に神聖なるものが配されている感覚は、そこに何か具象を据えない限り観客が勝手に想定してしまうもの?
    ストーリーの方はつぶさに思い出せないが、2100年代だか2200年代、あるいは2090年とかだったか、割と具体的な「時」が設定されており、今そこに立つ彼女は長い時を生きている、となっている。
    いや、複数の登場人物たちの会話で語られる、いやいやナレーション(同一人物を複数でだったか、どうだったか)によってだったか、噂の、正体不明の、しかし実際に存在するらしい「それ」が、今問題になっている。それが冒頭であった。
    そこは確か、何かの研究機関か、行政機関、比較的日常的に必要とされる業務を担っているそこに、「何モノか」が存在している、又は新たに配置されて来た、という風である。
    その存在についての記録を紐解いたところ(手掛りは確かネーミングだった)、80年前だかにその組織だか関連の団体かに赴任した、という記録があり、謎を深める。
    この芝居は凡そ4、か5場面から成り、3、4場面あたりでその存在=彼女が現役で働く人間であった頃のリアルタイムの場面となる。研究者か職員として何かに従事していた彼女は、ある業務の延長で、もしくは何らかの事情で、身体の一部のアンドロイド化に同意する事となる。か、または九死に一生を得た事故か何かでアンドロイド化せざるを得なかったか。
    こうして冒頭の不気味な謎の答えらしきものの断片が提示される。
    その後、彼女がどういう経緯でどうなったか、については具体的描写が無かったか抽象的表現で示唆した程度だったか、いずれにしても覚えていない。思い出せそうにない。
    時を遡った21世紀中盤(私達からすると近未来)の世相が、ある仕方で描出されていたように思うが、これも思い出せない。
    ただ、後半の場面では、ある種荒唐無稽なSF話が展開するが、リアリティの薄さを補って余りある「面白さ」で、釣り合いが取れていた感じは覚えている。

    以上、メモ。
    台本ないし映像、又はこの作品に関する文章などがあれば、それに触れてもう一度思い出してみたい作品。

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    2023/07/29 23:04

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