『SHIBAHAMA』  遂に本日千秋楽!!!当日券出ます!!ぜひぜひおこしください。 公演情報 快快「『SHIBAHAMA』  遂に本日千秋楽!!!当日券出ます!!ぜひぜひおこしください。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    真面目な人たちの真剣勝負なお楽しみ会
    これは、全身で楽しもうとする能動的な態度で臨まないと楽しめない。
    そういう「意志」を継続させないと、楽しめないかもしれない。
    気を抜いて観ると「飽きる」ところもある。

    ぶつ切り的な感じだからだろうか。

    全体的な印象としては、「ああ、やってる人たちは楽しいんだろうなあ」というもので、「お楽しみ会」的な印象を受けてしまう。ただし、それがちょっとうらやましかったりもする。
    出たいわけじゃないけど。

    ネタバレBOX

    全体的に言うと「楽しかった」のだが、確実に飽きてしまうところもあり。
    特に最初のステインアライブが流れるところは、なんだかつまらない。すぐ飽きた。
    とは言え、その後は持ち直し、面白いことが次々と。
    しかし、こちらが気を抜くと、あっという間に「飽きて」くる。
    「出し物」1個1個が、ポツン、ポツンとあるからで、その繋がりと、言葉による紹介の手際がイマイチのような気がする(そこのあたりがお楽しみ会的な)。
    もちろんうまく繋いでいるところもあるのだが、音楽と台詞のサンプリングが全体的なトーンを形作っているのだから、それをノリシロにしてもっとうまくウェーブのように全体をコントロールできたのではないだろうか。

    音楽に乗せたり、台詞のサンプリングを流したり、個所に仕込まれたスイッチを触ることで音が出たりという、音によるグルーヴが試みられていたが、どうもそれがグルーヴにはなっていないように思えた。
    もちろん、ちょっとした瞬間に気持ちよさが現れてくるところもあったが、動きの音感が、イマイチ、「手順」のように聞こえて(見えて)しまい、「波」や「うねり」になっていかないのだ。これは練習しても身につかないのかもしれないのだが、そこに「飽き」が来てしまう原因があるように思えた。

    また、首を絞めて落としたり、の後のスタンガンのくだりとか、本気ボクシングとかは、身体を張っていたりしたやつは(ホントに落ちたか、スタンガンを当てたのかは別にして)、演じる側のリスクと見合うだけの面白さはなかったように思える。もちろん、ボクシングなどは面白かったのだけど、その面白さは、例えば、会場全体を使ったTVゲームほどの一体感や面白さまでには到達しなかったと思う。

    身体を張ったあれらは、やってる本人の充実感はあるのだろうけど、どちらかと言うと、他の出し物のようなぐだくだしり、どうでもいい感じのほうが、よかったように思えるのだ。
    リアルに何かが行われるよりも、どうでもいいことが、リアルさなしに行われたほうが面白かったし、全体的なトーンも合っていたように思える。

    ただし、ボクシングのときに周囲を固める出演者やスタッフたちの、ただならぬ目つきだけは、見応えがあった。が、それも結局のところ全体のトーンを壊していたように思えた。

    全体的な印象としては、かなり本気モードで行われており、口調とか様子とは別に、観客の容赦ない視線があるだけに、真剣そのものだったように思えた。
    「真剣そのものに見えた」ことはプラスに働いていたかどうかは別として。
    一見楽しそうに見えているんだけど。

    今回のゲストは、歌の郷拓郎さんとアイドルユニットのフルーツ☆パンチだった。
    歌は、全体的に浮き足立っていた中で歌われたのであまり集中して聞くことができず、よさげな歌だっただけに、きちんと聞きたかったような気がした。
    アイドルさんたちは、とってもかわいいんで、これはちょっと得した気分。
    毎回ゲストが変わるということは、当然内容も微妙に変わるということで、その融合具合、接触具合によってはとてつもなく面白い日もあるのかもしれないし、ないのかもしれない。

    ついでに言えば、芝浜という作り話の虚構とアイドルという虚構のぶつかりが見えたら言うことはなかったように思えた。日替わりゲストなので無理だけど。

    なぜ「芝浜」なのか、というところは、私の中では解決しなかった。理由なんてないのかもしれないが。
    あえて言えば、芝浜という落語の作り話は、落語家の手によって、観客のイマジネーションの中に生きてくる。今回の舞台は、フィクションとノンフィクションとの狭間にあって、ウソとして見せたり、ホントとして見せたりというあたりが「芝浜」だったのかもしれない。
    フィールドワークのエピソードとしての合法○○ッグや、スタンガンの使用など、そのあたりの見せ方が、狭間にあった。
    いろんな法的な感じにしても狭間にあったかもしれないし。

    全身全霊を込めて、てきとうさを醸し出していたり、バカバカしかったり、悪のりしすぎたりしていたら、もっと楽しめたような気がする。
    取り組む姿勢が真面目すぎなのかもしれない。例えば、監視カメラの映像は意味ありげだし、その映像が監視カメラのものであると説明したり、サゲがアゲっていうオチも、最初にサゲの言葉を説明したりするし。真面目なのは結構なのだが、その真面目さが見えてしまうところが問題なのかもしれない。

    こんな雰囲気だったら、観客も舞台の周辺をぶらぶらさせたり(一定の範囲内で)、あるいは舞台のところに入れて、一緒に踊ったりさせてもよかったように思える。そういう「演出的な危険」や「ハプニング」まで取り込んだほうが刺激的だったのではないだろうか。

    奥の通路(トイレ側)の壁にこの宇宙がビッグバンによって始まってから芝浜を演じるまでの略歴の展示があったが、気がつかなかった人も多いのではなかったかもしれない。

    グッズを入り口付近で販売していたが、サボテンのアレとか販売していたら面白かったような気もする。無理だけど(笑)。

    まあ、あまり考えずに、観て、いや見て、はは、とか、ふふ、とか思っていればよかったのだろう。いや考えすぎてもよかったかもしれない。
    しかし、見終わってから、劇場を出た後の虚しさは何だったのだろうか。

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    2010/06/07 05:16

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