兎、波を走る 公演情報 NODA・MAP「兎、波を走る」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    演出が巧みで、言葉遊びや展開がアリスみたいにナンセンスで、ずっと夢を見てるような気分の劇でした。

    ネタバレBOX

    ・「期待した物語を作家から得られなかったアリス」「不思議の国から帰還しなかったアリス」として、原作との反転の効果を狙って、アリスを引用したのかな、と後から考えた。
     「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は、現実の事件を基に、異なる結末の虚構を編み直して「こうだったらよかったのに」と嘯く悲しさと明るさがあるけれど、
     本作はその逆の試みだと思った。“最後に帰ってくるアリス” “作家から期待した物語を得られたアリス”の世界観を引用して、「事実はそうはならなかった」ことを突きつけてくる。
     くるくる回る言葉遊びと演出に夢見心地を得た挙句に、どうしようもない現実の重さが最後にのしかかってくる。

    ・床の中央に大きい真円の白色、周りが黒色、冒頭の縄を床に叩きつける波の表現で、満月が映る水面(竹生島)が見えた気がした。
     水面に船を浮かべたのはアリスの拉致の回想の場面のみだったけれど、キャロルがボートの上でアリスに物語を聞かせたという黄金の午後も示唆していたのかな、と後から思った。

    ・第1〜第3の作家が3名揃って脚本を書く(書かされる)場面が好きだった。エヴァのマギシステムを連想してテンションが上がった。

    ・「シャイロック・ホームズ」のシャイロック要素がよくわからなくて考えている。ヤネフスマヤ夫人との関係を、年齢が反転したキャロルとアリスになぞらえることもできるかも?とは思った。

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    2023/07/15 21:04

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