守り火(まもりび) 公演情報 FINE BERRY(ファインベリー)「守り火(まもりび)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    重なり合う
    事前に、チラシ等で紹介されていた以上に暗くて緊張感のある
    ストーリー構成でしたね。 観ながら、え?まだ不幸が続いちゃうの?と
    落とされ、食い入るようにさせられることが多かった。

    この作品の登場人物達は、それぞれが違うように見えて、実は
    皆同じような境遇におかれていて、唯一つ、あのバラック小屋みたいな
    家で一つに結びついて、または呪縛されている、と感じました。

    ネタバレBOX

    母親が、もし捨て子を拾ってこなかったらどうなっていたか。
    多分あのまま狂って、近所の鼻つまみ者になっていたのは
    タケシの母親じゃなくて、四姉妹の母親だったかもしれない。

    または、四姉妹が母親に拾われなかったら。
    幸せを知ること無く、そのままあのやくざのように身を落としていた
    かもしれない。

    そう思うと、各人物達が置かれていた状況が、大きく食い違って
    いるのではなく、実はほんの偶然だったことに過ぎない、と気がついて。

    そう考えると、四姉妹は幸せだった、のじゃないか、母親に、父親に
    守られて幸せだったのじゃないか、といえると思います。

    最後に家を焼いたのは、母親への甘えや依存を断ち切り、新しく一歩を
    家族が踏み出すためには「守り火」のように必要な「儀式」だったのかな。
    ちょうど、人形を燃やすことで災厄から逃れようとするように。
    そう思うと、最後はほんの少し希望のある作品でしたね。

    四姉妹が、母親のよく聴いていたカセットを聴きながら、その歌を
    皆で口ずさむシーンがあったけど、あのシーンの美しさは屈指。

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    2010/05/30 07:44

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