R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム 公演情報 ワンツーワークス「R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ワンツーワークスを観るのは今回で9本目。印象に残るのは『グロリア』、『鯨を捕る』、『私は世界』。
    宮部みゆきは初期は読んでいたが、何かぬるくてハマれなかった。大林宣彦が映画化したのを観た『理由』だけが好印象。

    今回も掴みは面白い。二つの家庭で二重生活を送る男(長田典之氏)。妻(みょんふぁさん)と娘(東史子さん)と息子(安森尚氏)、もう一つの妻(小林桃子さん)と娘(川畑光瑠さん)。彼がある日惨殺される。警察は娘(川畑光瑠さん)を取調室の隣の小部屋に呼び、マジックミラー越しにもう一つの家族と面通しさせる。

    自分はみょんふぁさんのファンであることに気が付いた。
    綾城愛里奈(えりな)さんが不快な馬鹿女を好演。

    ネタバレBOX

    人が殺されるシーンの演出が見事。血痕をイメージした小さく千切った赤い花弁のようなものが天井からパラリと降り掛かる。

    宮部みゆきとこの作家(古城十忍)の相性はよくない。もっと高村薫とか重苦しい話が適している。人間のダークサイドこそを抉るべき。
    彼女は赤川次郎みたいな読み飛ばせる軽さが人気なのだが、それを敢えてやるなら主眼を別にずらさないといけない。役割分担ゲームをカリカチュアライズして、この世の全ては“ごっこ遊び”ぐらいに引いて見せないと。父親の“ごっこ遊び”が許せずに二人ぶち殺し、疑似家族の三人も狙うなんて最早サイコパス。娘の異常性しか感じ取れない。警察の計画も、娘を自供自首させる為に大芝居を打つなんて漫画。もっとどうしても解明したい謎がないと成立しない話。

    もっと言うと、殺される男(長田典之氏)の設定が意味不明。(原作もそういう批判が多いらしい)。女にだらしなく、手当り次第に浮気を重ねる。それとは別に見知らぬ誰かとネットで擬似家族ごっこをして楽しんでいる。実生活での心の渇きをネットで癒していたのか?父親の行動を監視し続けていた娘(川畑光瑠さん)はその疑似家族に嫉妬し殺意を募らせる。男が何を求めていたのかが判明しなければただの動機当てゲーム。凄く面白いネタなのだが見せ方を間違えている気がした。(事件発生までの見せ方が絶妙なだけに)。

    余談だが、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが提唱したバギズム(Bagism) 。バッグ(袋)の中に入れば人間を外見や性別、人種や年齢などで差別することが出来なくなる。この状態での遣り取りこそが真の人間同士のコミュニケーションであると。
    それを現実化したのがインターネット、例えば匿名掲示板であろう。理想の人間の交流の場に成り得ているか?現実は見ての通り。結局性善説で物事を考えるからおかしくなる。性悪説で考えないと世の中は悪くなる一方。LGBT法案の混乱もそこにあるのでは。逆に同性愛者への偏見を強くしてどうするのか?

    0

    2023/06/14 11:25

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大