天国 公演情報 株式会社AIM「天国」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    あっぱれ!!
    現代を生きる人間の悲恋のお話。「天国」というタイトルから、ちょと違うイメージをしていたのだが見事に裏切られる。サスペンス、コメディ、醜態、渇望、強欲、バイオレンス、絶望・・・それらが入り混じった満足感満点の舞台だった。

    脚本といいキャストらといい魅せた!

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    自動車工場に期間工員として働く一時的な滞在者らの、しばしの憩いの場がマヤママが開く小さな居酒屋だった。しかし、このマヤの過去が段々と暴かれていくうちに、期間工の二人サトウとトモノが過去のマヤと関わっていたことも露呈される。夫からDVを受けていたマヤは夫殺しをサトウに依頼し、これを受けてサトウはマヤの夫を殺すも、直後、マヤは夫の保険金を抱えて居なくなってしまう。その後、マヤは整形をしてまんまと居酒屋のママに納まっていた、という筋。

    そんな居酒屋に集まる期間工らはそれぞれ、人に言えない過去を持っていた。ここでの登場人物のキャラクターの立ち上がりが実に絶妙でインパクトがあり、観ていて楽しい。そこそこ笑いも誘いながら、見たからにヤクザです!ってな感じのでっかいお兄さんが登場する場面から、舞台の空気圧は一気に不穏な方向へと上昇しながらも「なんなんだ、こいつの威圧感は・・。」なんて心で呟きながら、こいつの名前が「アキヤマ」ってんだから、ふ、ふ、普通じゃん!笑)
    せめて権藤とか、神宮とか、辰藤とか、竜神とか、ゴンザレスとか・・・そういった名前の方が迫力あんじゃん?なんつってアルマジロが獲物を威嚇した時のような鋭い目を持ったヤクザをしみじみ見ちゃったわさ。

    でもってそのヤクザ風のアルマジロはマヤの殺された元夫の弟だってんだから、物語は壮絶なクライマックスとなり、兄の敵討ちの標的はマヤ本人なのだけれど、マヤ自身はそんな敵討ちなんか、への河童状態で、図太くアザケリ笑いながらも、他人の誰をも愛をも信用せず、マヤがひたむきに信じてやまないのは金だけなのであった。

    男の純情を踏みにじって人を殺してまでも、留まるところを知らない悪女ッぷりは、あっぱれもので、むしろ清々しいのだから、オンナって素敵だわっ!!!笑

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    2010/05/29 18:33

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